第92話息子くんと納豆とママ

 我が家では納豆はオヤツです。ママが好きなのもあるのですが、息子くんも納豆は好きででもご飯と一緒に食べるのは苦手らしくおにぎりと納豆などの組み合わせでオヤツになることが多いのです。

 ママの好みは大粒の納豆でひきわり納豆は滅多に買いません。息子くんの好みは中くらいのサイズでやっぱりひきわり納豆はあまり食べない。

 何より息子くん醤油もあまり入れないので使わなかった付属のタレなどがママに回ってくることも屡々。

 ママは薬味を色々試したい、息子くんは納豆をそのまま味わいたい。最近は別々に好みの納豆を買って交換したり薬味だけママに渡してみたりと納豆ライフを楽しんでいます。

 そんな息子くんですが保育園年長さんまでは納豆が大の苦手でした。息子くんが納豆を好きになったきっかけは知人が水戸に行ったというのでママの好物でもある納豆、藁に巻かれた藁納豆をお土産に買ってきてくれたことからでした。

 大きな藁に包まれた納豆を初めて見た息子くん、納豆と言えばパックに入ったものしか見たことがなく初めて見るそれに興味津々。

 納豆だよと話しながら包みを開くと藁の香りがフワリと立って姿を現した納豆。コレが普段食べる納豆より断然ママの好みにドストライク。楽しみにしながら器に移していると息子くんがママの袖を引っ張って来ました。

 「納豆食べてみる」そう言って見上げる息子くんにママは器を息子くんに持たせて混ぜるミッションを与えました。

 ウキウキと混ぜる息子くん、着々と夕飯の準備をママは進めイザ実食。息子くん少し戸惑いながらもひと口ふた口と食べてから一気にかき込みました。

 「何これ、めっちゃうまい」キラキラした目でオカワリと空の器を出す息子くん。(それは昨日まで君が嫌いと言っていた納豆やで)と心で呟きながら納豆をひとつ開けると、息子くんまたも完食。

 この日から息子くんの納豆好きが始まりました。食わず嫌いではなかったのだけど、何かが違ったんだろうなと藁納豆の威力を噛み締めていましたし、ママの納豆が減ったのは言うまでもなく。いただいた納豆の大半は息子くんが食べてしまいました。

 息子くんが苦戦したのは納豆を混ぜる時。これはママのお家での食べ方を伝授。ママのお家では納豆にタレか醤油、からしと葱に加えて味噌汁の汁を少し加えてから混ぜます。解れやすくなるんですよ。

 ただ息子くんはやっぱり何もつけない方が好きらしく今ではすっかり味噌汁の出番は無くなりました。

 ママの最近のお気に入りは練り梅を混ぜたり山葵を混ぜたり。息子くんとママの納豆シェアは今日も健在です。

 

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