第88話息子くんと友だち

 息子くんの友だちは同年代以外も多く、割と幅広い交友関係を作ってます。別段ママがそうなるようにしたわけではないのですが、息子くんのいい格好しいが影響するのか年下に慕われる事も多く、人懐っこい部分があったからなのか年上からもよくかまってもっていました。

 小学校中学年になると仲良しだった兄弟が引越しをするということで、息子くんお別れ会兼ねたお泊まりをママに打診してきました。

 ママとしてはまだ早いと思っていたので渋い返事をしていたのですが、ある日先方の保護者から直接のお誘い打診があり、幾つかの約束をしてオッケーを出しました。

 お菓子は持参させる、夜は二十二時には寝るなど家での習慣を崩さないようお願いする形に。お兄ちゃんは息子くんより二つ上の学年で弟は息子くんより二つ下の学年、何故か接点があまりないはずの三人はとても仲良しでした。時々家に息子くんを遊びに誘いに来ていたりしていたのでママも知ってはいたのですが、ママ基本的に息子くんの友だち関係には口を挟まないため息子くんが二人とどう出会ったのかはわかりませんでした。

 我が家にはわんこも居るためお家にお友だちを呼ぶのも禁止していたのだけど、たまにスーパーに買い物へ行くと近くの公園で遊ぶ息子くんと弟くんをよく見かけていました。

 「ジュース買ったるからおいで」と声をかけ夏場のスーパーで会った弟くん。息子くんと二人でジュースを手にママの所へ。「あれ、それでいいの」ママが気になったのは弟くんの手にしていたジュースが特売品だったためなのですが「これ好きやし他高いから」そう答える弟くん、息子くんより二歳年下かと改めて思うママ、息子くんの手にしていたのはいつもより高いジュース。「同じのでもええよ」そう言っても首を横に振る。そうして息子くんに小銭を渡して「いってらっしゃい」と送り出すと弟くんが振り返りペコリお辞儀のち「いってきます」の笑顔、息子くんそれに気付いて慌てて戻ってきて「いってきます」と。

 息子くんとよく遊んでいたので、淋しくなるねと声をかけて送り出した初めてのお泊まり会。

 まあ、二十二時就寝は守られなかったらしく後日報告をうけて苦笑いを浮かべていたママでした。

 息子くんは時々今も弟くんと連絡を取り合っていて、新しい友だち出来たらしいよなどたまに教えてくれます。

 

 

 

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