第67話迷子の息子くん
以前に書いた初めての迷子以外に息子くんが迷子になったのは二度、合わせて三度ありました。一つは中国地方への旅行中に大きなショッピングセンターに行った時。
ママも慣れない場所でもあって繋いだ手を振りほどき走り出した息子くんを追いかけきれずに見失ってしまい、合流したのは一時間後のことでした。既にある程度物事がわかる年齢でもあったので叱りましたが、息子くんもかなり心細かったのかそれ以降買い物に出掛けて勝手にどこかへ行ってしまうことはなくなりました。
そしてもう一つ、これが最後の迷子。小学校高学年になりかなり大きな駅でトイレに向かいました。
当然二人とも向かう先は別なので先に出たらここで待つようにと予め落ち合う場所を決めていざトイレへ。
休日でもあり比較的混んでいたため慌てて出てくると落ち合うはずの場所に息子くんの姿がない。
ふと見回すと少し離れた場所でキョロキョロとしている息子くんが居るではないですか。
目の届く範囲だったので数分様子を見ていましたが、気づく様子もなく今にも泣きそう。
持たせていた子ども携帯電話を鳴らして息子くんを呼ぶとやっと気づいた息子くん、泣きながらママの居る場所に。
先に出て待ってる間に何処からかふんわり鰹出汁の香り、その香りに誘われてフラっと少し移動したせいで落ち合う場所がわからなくなったと。
いや何のための子ども携帯電話ですか、すぐ掛けなさいよと宥めながら息子くんを連れて香りの素へ向かいました。
駅で食べる蕎麦ってなんであんなに美味しいんでしょうね。
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