懐かしくもほろ苦い息子くん

第52話息子くんの小さな冒険

　息子くん小学校中学年頃、ママの友人を訪ねて中国地方へ旅行に行きました。高速バスでの移動は前回が一晩中走る東京行きのバスでしたが、今回は早朝から出発し、昼過ぎに到着予定。

　中心部まで荷物を抱えながら駅に併設した土産物屋で手土産を物色。

　息子くんが選んでくる物が微妙過ぎて結局ママがメインを、息子くんが選んだ菓子を持ちバスが到着。

　バスに乗り込み見慣れない高さから街を抜け高速へ入ると息子くんは変わらない景色に早々飽き出してしまいました。

　数時間バスに揺られて到着、友人に出迎えられて来たのは普段コンクリートの中で生活しているママや息子くんには新鮮な、自然豊かで閑静な町並み。

　深く息を吸えば遠く緑の香がするようで息子くん着いてからは緊張混じりでもかなり楽しそうにしてました。

　友人宅へ着き昼食を頂いて再出発。山の斜面にある神社などを周り夕飯に焼肉を食べたりと息子くんもママものんびりしていました。

　友人へ帰宅後の翌日は前日の疲れからママが昼前まで動けず、友人と息子くんが散歩に。息子くんは初めて見る田んぼのあぜ道や用水路、生き物が印象に強かったらしく自宅へ帰ってからも、この日の朝数時間の話をたくさん話してくれていました。

　普段はママと過ごしている息子くん、初めての場所で初めて見たものを一生懸命伝えてくれていました、息子くんにとってはちょっとした冒険譚だったようです。