第28話仲良し三人組

 保育園も年中さんの後半にさしかかる頃には仲の良いお友だちが出来て、いつも騒がしく面倒見だけはいい息子くん、しっかり者だけどちょっとだけ気の弱いA君、いつも周りを笑わせることだけに全力を尽くすB君の三人組で遊ぶことが増えていました。

 毎日お迎えに行くと三人仲良く悪戯の最中、幾度も見かけたお説教タイム。それでもいつも仲良く時に喧嘩したり、仲直りしたりしながら年長さんになる頃には、目立つグループを作っていました。

 運動会では三人チームを分けられて、先生に聞けば「一緒にすると話聞かないんですよ」と困った顔をされつつ、おゆうぎ会では落ち着かない息子くんをA君がしっかり手を繋いで、笑わせたい気持ちを抑えきれなくなったB君を息子くんとA君が抑えてと中々にママは見ているだけでヒヤヒヤドキドキの上「いつもすいません」と謝ることばかり。

 そんな三人組、時々仲間外れにされているお友だちや一人で困っている年少さんを見かけたら放っておけない。

 真っ先に気づくのはA君。「息子くんどうしよう」息子くんはすぐに駆け寄り声をかける。

 「一人なん?一緒に遊ぼう」戸惑う子への最後の架け橋はいつも陽気なB君が冗談やギャグで笑顔を作る。そんな三人組がいよいよ卒園となった時。

 「そっかぁ三人バラバラになっちゃうね」息子くんとA君は学区域が違っていた、B君は転勤により遠方へ引っ越すことに。

 「ずっと友だちだから大丈夫」そう三人組が最後まで笑顔だったのがとても印象的でした。

 いっぱい悪戯もやんちゃも喧嘩もしていっぱい泣いて笑っていた三人組、最後の日もやっぱり笑ってました。

 年少さんのお母さんから、三人組のおかげで泣かないで登園できるようになったと言われてママたちも恥ずかしいやらちょっとうれしいやら。

 少し前息子くんがA君と偶然会ったらしく、変わってなかったと嬉しそうに話してました。

 その後小学校にあがってからまたまた結成された三人組の話はまた今度。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る