第14話 クリスマスパーティー

クリスマス数日前

恋人がいる奴らはみんなデートに忙しい。

そんな中、暇な奴等は・・・

「ユウヤさん、クリスマスに何かしませんか!」

「えっ?シュン、デートでもしてこいよ。」

「・・・この前、フラれたところです。」

「すまん・・・なら、独り身の奴等を集めてクリスマスパーティーをするか?」

「いいですね!」

「予算は俺が出すから準備するぞ、シュン手伝え。」

「はい!」

急遽、独り身クリスマスパーティーを開く事になった。


「シュンは独り身を集めてくれ。」

「はい、あっ、でも女性は?」

「あーリンが独り身だろ?あの子に取りまとめを頼もう。顔も広いし適任だろ?」

「引き受けてくれますかね?」

「報酬でバッグを贈ると言う。」

「いいんですか?」

「若い奴等の楽しみということで俺が泣くよ。」

「ありがとうございます。」

「その代わり楽しめよ。」

「はい!」


「リン、暇か?」

「ユウヤ嫌味?」

「違うって、独り身を集めてクリスマスパーティーやろうよ。」

「うーん、どうしようかな?」

「女の子を集めてくれたら、お前にバッグを報酬で渡すよ。」

「えっ?いいの!」

「俺の身銭だからな、高いのは許してくれよ!」

「何にしようかな~」

「あーじゃあ、集めたメンバーで報酬額あげてやるよ。男性陣が満足するような奴を集めたら高いのも有でいいぞ。」

「ホントに!さすが~稼ぎ頭は違うね。任せて、独り身の綺麗処を集めて見せるよ。」

「うう、俺の懐が~」

「それで他の人には何かないのかな?」

「てめぇは鬼か!」

「さぁ、報われない独り身の女の子にサンタさんはいないのかな?」

「クリスマスプレゼントに一人一万ぐらいの物を用意してやる。」

「・・・ユウヤ、天下の金子組がそんなケチくさい事言っていいのかな?」

「てめぇは一度地獄に墜ちろ!くそっ!一人三万だ!これでいいだろ。」

「さすが~女の子は期待していいからね。」

「これでダメならお前は風俗いけよ!」

「なんでよ!まあ、集めておくよ。十人ぐらいでいい?」

「まあ、それぐらいでいいだろ。」

「当日楽しみにねぇ~」

電話を終える・・・

「シュンいいか、絶対楽しめよ・・・俺は楽しめそうにない・・・」

「あはは・・・なんかすいませんでした。」

「いいさ・・・はぁいくら吹っ飛ぶんだろ?さて、料理の手配をしますかね。」

「どうするんですか?姐さんに頼むんですか?」

「アホ!姐さんに頼むぐらいなら料亭予約するわ!」

「でも、場所は宴会場使う気ですよね。」

「あそこはその日の空いてるはずだからな。」

「じゃあ、誰に?」

「チカちゃんに頼むよ。」

「おじょうに頼むんですか!」

「チカちゃん料理上手いからな。」

「・・・血をみませんか?」

「なんでだよ!まあ、ダメなら出来合い物、頼むだけだから。ちょっと行ってくる。」


「チカちゃん、ちょっと頼みがあるんだけど?」

「何ゆうちゃん?取りあえず中にどうぞ。」

部屋に案内される。

「それでどうしたの?」

「チカちゃんクリスマス暇?」

「えっ?そ、それって、うん、暇だよ♪」

「あのね、その日、組の独り身の若い奴等集めてクリスマスパーティー開くんだけど、料理作ってくれないかな?」

「・・・いいですよ、どうせそんな事だと思いましたよ。」

「チカちゃん何すねてるの?」

「誰のせいかな?」

「・・・俺のせい?」

「わかってるならいいけど、でも、クリスマスに大人数の料理を作るのもなんかねぇ~」

「うーチカちゃん乗り気じゃない?」

「ゆうちゃんの頼みだから引き受けたいけど・・・今はちょっとテンションが低くて。」

「じゃあ、料理作ってくれたらご褒美に何か買ってあげるよ。」

「・・・ゆうちゃんからのクリスマスプレゼント?」

「そうなるね。」

「なら、引き受けてあげる。」

「あう~散財だぁ~」

「えっ、そんなに高いの頼まないよ。」

「あー違う違う、チカちゃんのだけじゃなくて参加者全員のプレゼントを買わなきゃいけなくなったんだ・・・」

「ゆうちゃん何してるの?」

「俺もそう思う。まあ、たまにはセンパイ風ふかすのもいいだろ?」

「ゆうちゃんセンパイだったの?」

「えっ・・・」

「ゆうちゃん盃もらってないからまだ・・・」

「チーカー言ってはならぬことを!」

「きゃーごめんなさーい。」

俺はチカの脇をコチョバス。

「ははは、もうやめてストップ!」

「ダーメー許してあげない!」

「やめて、もう無理だよ。」

「もっと強くいくよ!」

「ちょっと待って、もう少し優しく。」

バーン!

「何やってるですか!」

タクミがチカの部屋を開けた。

「タクミどうした?」

「えっ?タクミくんなんでドア開けてるの!」

「いや、前を通ったら、その声が聞こえて・・・」

「それでも女の子の部屋を開けてはダメなの!」

「そうだぞ、たぶん叱られるから覚悟しておけ。」

「じゃあ、なんでユウヤさんは部屋にいるんですか!」

「えっ?チカちゃんが許可くれてるから?」

「ゆうちゃんは別だよ。」

「でも、何かあったら・・・」

「ゆうちゃんに何かされるの?」

「しないから、それよりタクミ出てけ後で説教だからな。」

「なんで!」

「これは命令だ、一応俺に怒られる方がいいぞ。」

「くっ、失礼しました。」

タクミが立ち去る。

すると今の体勢に気付く、ベッドの上で俺がチカの上に乗り脇に手を当てている・・・

「ゆうちゃん・・・」

チカが見つめてくる。

「ちょ、ちょいまち!」

手を俺の首の後ろに回して頭を 引き寄せる。

「いいよ・・・」

チカが雰囲気を出してくる。

俺はそのまま、顔を近づけ、耳に息を吹き掛ける。

「キャッ!」

「まだ、早いよ。おませさん。」

「もう!なんで子供扱いするの!」

「まだ子供だからね、さてタクミの説教してくるわ。」

「あー逃げるのー!」

「俺が叱らないと、倉田さんに見つかったらヤバイだろ?」

俺はチカの部屋を後にする。


「ふぅ、ヤバイヤバイ流される所だった。」

部屋を出た後、俺は深呼吸して落ち着いてからタクミを叱りに行った。

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