キングダム・カム〜プロイセンの王を目指して〜
持是院少納言
プロローグ
チェコの零細ゲームスタジオが、中世ヨーロッパのボヘミアを舞台にしたアクションロールプレイングビデオゲームを出している。
日本のゲームメーカーからも、日本語版が発売されており、私もそのゲームを購入し、プレイをした。
英語版からの翻訳なので、登場人物の名前などが変なところをツッコミつつプレイしていたのだが、ふと思い出す。敵の親玉であるハンガリー王ジギスムントがニュルンベルク城伯であるフリードリヒ6世にブランデンブルク選帝侯に封ぜられることを。
ニュルンベルク城伯フリードリヒ6世がブランデンブルク選帝侯に封ぜられることで、後のプロイセン王家へと繋がる。
私は、ブランデンブルク選帝侯フリードリヒ1世がもっと上手く立ち回っていれば、もっと飛躍出来たかもしれないのになぁと思い、ゲームを終えて就寝するのであった。
私は眠りから覚めると、何故か周りが暗かった。しかも、水の中に居るようで、頭から入浴している様な状態である。
いつの間に、誰が私を風呂に沈めたのか。しかし、水の中にいるはずなのに何故か呼吸が出来る。不思議に思っていると、周囲のかべから押し出される様な感覚がしたと同時に、外へと押し出された。
風呂の中から出られたのは良いものの、目が開かずに、周りの状況が分からない。
すると、日本語ではない女の声が聞こえたと思うと、宙吊りにされた。目が見えない上に、いきなり宙吊りされて驚いていると、背中を思いっきり叩かれる。
思わず「痛ぇ!」と叫んだものの、違う言葉が飛び出した。それは言葉ですら無かった。
何故なら、私が発したのは「おぎゃぁ!」と言う声だったからだ。
私は驚き、言葉を発するのを止めると、また背中を叩かれる。背中を叩かれない為にも、泣き続けるしかなかったのであった。
予想通り、私は何故か赤ん坊に生まれ変わってしまった様だ。その後は、母親と思しき人物から乳を貰い、何とか生き長らえている。
周りの人間が話している言葉はドイツ語の様だが、大学時代に学んだドイツ語とは随分違っていた。
眼が見える様になり、周囲の状況を確認すると、中世ヨーロッパのゲームに出てくる貴族の屋敷の様な内装である。
私は、中世ヨーロッパに逆行転生してしまった様だ。
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