第5話 テスト

私は勉強が苦手だ。


学んでいた最初のころは今よりも好きだったと思う。

新しいことを学ぶのは嫌いではなかったからだ。


しかし、

学校に通い始めると「テスト」がつきものである。


おそらく私の「勉強嫌い」はテストが始まってからだと思う。


テストは事前に学んだことを学校側・国がきちんと児童が理解できているかを

確認するためのものである。


だから

―「100点」を取るのは、”普通のこと”といえば”普通のこと”である―


しかし実際は100点を取れる子供は中々居ない。


私の家では、どんなにひどい点数を取ろうとも

必ず母に見せなければならなかった。


私は冒頭でもお伝えしたように、勉強が苦手だ。

だから”良い点数”は滅多に取れなかった。


だから毎回

「テストなんて100点が当たり前。

鈴音ちゃんは〇点しか取れてないってことは、□点分理解してないってことを

自分で理解してる?」


と言われ続けてきた。


ごくたまに私が100点を取った時

嬉しくて「お母さん!100点取ったよ!」と渡す

が、特段褒めてもらえるわけでもなく


「じゃあ次も100点取れるね。テストで100点なんか当たり前なんだから。」


この言葉は大学生になった今でも心に絡みついている。


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