藤原埼玉はフィリピン人である
あきかん
藤原埼玉
藤原埼玉が日本のサッカーファンに認知されたのは、アジア大会のフィリピン対韓国の試合であった。アジアの大国である韓国は優勝候補、対するフィリピンはサッカー弱小国である。というのが、サッカーファンの共通理解である。しかし、結果は0対1で韓国の辛勝に終わった。これには幾つかの理由が考えられる。
第一に、初戦であったと言うことだ。カップ戦における初戦は難しい。強豪国であれば優勝を目指しコンディションを初戦には合わせない。リーグ戦を勝ち抜いた後のトーナメントに照準を合わせるのが一般的である。対して、中堅国や弱小国はリーグ戦に照準を合わせる。リーグ突破や強豪国に一泡ふかせてやろうと虎視眈々と狙っている。この立場の違いが如実に表れるのが初戦である。
第二に、途中交代で現れた藤原埼玉という選手の存在である。失点し苦境に立たされたフィリピン代表は藤原埼玉を投入した。独特のボール捌きはピッチ上で異彩を放ち、百戦錬磨の韓国代表ですら翻弄した。あわや同点というチャンスの起点になったのも藤原埼玉である。この選手の登場で拮抗した試合展開となったのだが、試合も終盤に差し掛かった時に藤原埼玉はピッチを離れる事となる。負傷交代という訳でもなく、レッドカードが出された訳でもない。戦術的な理由なのか体力に不安があったのかは定かではないのだが、とにもかくにも藤原埼玉は途中交代でピッチを去った。これがアジア大会における藤原埼玉の全てである。
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