嵐の前の幸せ
とりあえず、まだ一月も始まったばかりの水曜日、午後9時30分に、全身汗だくの理子は更衣室で着替えて家路を漸く目指す。
足は棒のように、重たいけれど、今、丁度大好きな「相棒」がテレビで始まっているとウキウキするのを理子は感じていた。
行人も理子も帰りは疲れて言葉少な目だが、行きよりもお互い更に猫背になりながら、街を歩く。
そうして、最寄り駅について別れて、今日は「相棒」をただみて眠る予定の一日のはずだった。ーそうあのカードをみるまでは。
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