かれんさんは男の人がお気に入り?

 とりあえず、裏口の通用口から、タイムカードをかざし局内に入った私たちは一旦別れる。


 私は3階の女子更衣室で、「おはようございます」って夕暮れなのに、芸能人みたいな挨拶をして、まるで透明人間にでもなったのが返事がかえって来ない、人間関係だけは恵まれてないこの職場のマイロッカーへ荷物をいれ、もう一度小野さんと合流する度に食堂へ向かう。


 ところが、食堂ではものすごいさみしがりやで、誰か話し相手を見つけると、相手の都合など考えずに話しつづけるかれんさんが小野さんにまとわりついていて今日は駄目だぁとため息ついた。


 とぼとぼと3階の女子更衣室へ戻ると私の甲高い声が嫌いでいつも耳をふさいでいる奈帆がなんできたのよとこちらにガンをとばしてくる。


 精神科に通ってて、奈帆が大変なのはわかるけど、私だって自分の甲高い声と早口は大嫌い。そもそも人間関係が悪いこの職場だって話さなくていいから好きなんだよっとこころのなかでは悪態ついていた。

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