第1話

鳴り響く学校のチャイム、ざわつき始める教室。休み時間になっていつものメンバーが集まり始める。これこそ日常、「当たり前」だ。


「おーい、篠崎ー。次の授業なんだっけ?」

「次は…現代文だな。

そういえば荒瀬、課題やってきたのかよ?」

「あ、やばい。やってない…!」

「だからあれだけやれって言っただろー?」

「そういう篠崎くんはやったの?」

「え、やったよちゃんと。」

「本当かなー?」

「そういう凪咲なぎさはやったのかよ?」

「やってきたもーん。」


休み時間の楽しい時間。

…だけど最近、なんだか急に辛くなる時がある。この原因を知りたくても分からなくて、わかっていることとすれば、航と話したり、一緒にいる時になることぐらいだ。

「当たり前」のこの集まりでも、なんだか気難しくなっている。

葉月に相談しようかな…。


あー!もうなんだろう。

とりあえず、放課後に葉月に相談しよう。

そう決めた時、授業の予鈴が鳴った。


「凪咲、早く座らないと怒られるぞ。」

「あ、うん!ありがと航。」


頭撫でられた…。さらっとやるから本当困るな…。平然を装って過ごす。嗚呼、ふざけた世界だ。


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