13 データとして必要なものは?

 夜遅くにお疲れさまです。たかぱしです。


 それぞれに面白さをもった多種多様な小説が山のようにあって、そこで好みの小説に出会いたいと願う人がいて、という状況のとき。

 ババアがいかなプロフェッショナルだったとしても、小説がだったらその中からオススメを探しだして紹介するのは大変なお仕事になってしまうに違いない。

 棚とか引き出しに整理して納められていなければ、どこになにがあるのか、どれがどんな物語だったか、きっと分からなくなってしまう。


 小説を整理整頓……つまり分類して検索しやすいデータベース化は必要だ。


 というわけで、手始めにジャンルのことを考えているわけだけども。

 そもそも、小説を分けるための情報として、どんなものがあったら便利なんだろう(先に考えとけよーという話だ)


 たとえば、カクヨムには小説検索がある。あれは使ってみると、なんかイマイチな感じがするのだが(なんでそう思うのかよく分からないんだけど)ともかく詳細検索でどんな選択項目があるかから考えてみよう。


 1,キーワード

 ……ワード検索だから、もちろんこれがある。

 確か、タイトル・作者名・あらすじ・タグに入ってる単語を検索できる……じゃなかった?


 当たり前といえば当たり前だけど、小説の基本情報はまず「タイトル」「作者」だし、これが抜けていたらデータベースもなにもない。

「あらすじ」も情報としてあれば、検索に役立つというよりかは、好みの小説を選ぶ役に立つ。誰がどうやって書いたどんなあらすじか、も重要になるけれど。


 タグに関しては、タグ自体が大切なのではなくて、タグにどんな情報が入っているかが大切だ。横へ置いておく。


 2,ジャンル

 次に任意のジャンルで検索を絞り込めるようになっている。

「ジャンル」情報も必要だ。ただ、既存のジャンルだけではなかなか分類として使いにくい、ということも(ジャングルに分け入ったから)分かった。


 そこで「小説の世界観」で分類できないか、という試みが別場所で進行中である(これはあっちに任せてカクヨムでは細々書かない。本稿は先へ進む)


 まあでも、もちろんこの世界観だけで小説の内容が分類できるわけじゃない。

 ジャンルで使われていたような「テーマ」「要素」も一目で分かるといい。

 もしこれをジャンルだけで分類して表示しようとすると、あまり小分けにはできない。そのあたりに工夫のしどころかもしれない。


 カクヨムにはないが、ジャンルとして純文学、大衆小説、一般文芸、ライト文芸、キャラ文芸、ライトノベル、児童文学、なんていう分け方もあった。これを参考にして文学の「性質」での分類も情報としてあったらいいと思う。


 問題は、純文学とかライト文芸とかラノベとかといった区別が、曖昧でよく分からなくなってしまっている、というところだ。

 なにがどう違うのかは説明できない。でもラノベを読みたがっている読者に純文学を読ませるのはナニカチガウし、児童文学を求めてる人にキャラ文芸を渡して満足してもらえるとは限らない。

 もちろん、読者のなかにはソレがライト文芸だろうとラノベだろうと純文学だろうと、自分が楽しめれば構わない、という人もいると思う。別にそういう人は少なくないと思う。


 ただ、ラノベにはラノベの魅力があり期待がある、純文学には純文学の魅力があり期待がある、ということなら、互いにその魅力や期待は別のものでは変えられないのなら。

 そういう魅力や期待でちゃんと分けておくべきだ、と思う。

 つまり大事なのは、純文学だとか大衆文学だとかいうレッテルではなくて、その魅力の正体ということだろうか。

 この点を突き詰めた結果、「いやもう全然別にそれぞれの魅力とかそういうのはなかったです」という結論になるなら、この話はご破算ってことにしちゃえばいいのだ。

 まだ全部仮定の話というか、可能性の話。


 あるいは、文章の性質も大事なのかもしれない。

 文章の性質なんていうと「???」って感じだけれども、小説を読んでいると「重い」とか「軽い」とか「難しい」とか「テンポいい」とか感じるもんである。

 もともとのライトノベルは“ライト”というだけあって、ある種の文章の軽さやテーマの手軽さなんてものがあった(今は単純に“軽さ”でラノベを定義しきれない感じがある)。

 重い軽いを感じさせる原因は、まあたぶんいろいろあるんだろうけど、もし小説の軽重なんてのが情報として示せたらいい目安になるはず。


 3,執筆状況

 カクヨムで言うところの『連載中』か『完結』か、の項目だ。

 公開や販売の形態で変わってくるところではあるものの、その小説がシリーズの一部だとか、分冊(あるいは巻分け)があるだとか、続きがあるとかないとか、とにかくそういう小説の「周辺情報」はちゃんと紐付けておきたいところ。

 本屋で気になって購入してみたらシリーズ二冊目でチンプンカンプンだったとか、悲しい。

 ブックベースで面白そうな本を一冊買って読んだら四分冊のくせに続き売ってないやんけ!とか目もあてられない。


 5,小説の長さ

 文字数かページ数か、小説の「長さ」は情報としてほしいかと思う。

 本屋で本を買うときは文字数など気にしないけれど、厚みはちょこっと気にする。厚いから買う、薄いから買う、というわけでもないのに。どっちにしろ買うのに。あれは、どういう心積もりなんだろう……?


 6,セルフレイティング

 残酷描写や性描写などの「レイティング」は、小説の分類としては役立たないが、情報としてわかるようにしておいたほうが良さそう。

 ただ、小説投稿サイトでのセルフレイティングの扱い方だと、レイティングの基準が主観すぎてしまっている。慎重・誠実な作者は保険でレイティングをつけてしまうし、レイティングなしでもエログロなお話を公開できてしまうし。結果、小説を探す側としては、セルフレイティングはまったく目安になっていない。

 なかなか悩みどころになりそうである。


 以上、カクヨムの検索で使えそうな小説データ項目はこのぐらいだ。

 が、これで終わったら、カクヨムの(なんか使いにくい)検索と変わらない。

 この他には、明るい話とか暗い話とか、ほのぼのとか胸熱とか、そういう小説の「雰囲気」も情報化したい。

「ストーリー」の分類もできないだろうか。

 その小説がもつ“面白さ”や“魅力”も可視化できたら楽しそうだ。どんな方法でそうできるのかは、さっぱり分からないけど。


 小説をデータ化するというのは、つまり小説のプロフィールを作る作業。

 婚活や出会い系のそれと同じでとても重要なはず。

 そもそもプロフィールにどんな項目があれば、その小説のことが分かるだろう。

(もちろん、小説と本当に知り合えるのは実際に読んだとき、だ)


 なんてことを考えつつ、しばし小説のデータ化作業を進めていこうと思う。

(……ちょっと前は「ジャンルてなに??」とか言っていたけど、今度はきっと「小説てなに???」とか言い出すことになる気がする……)

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