面白いと思うもん書いて、本になって、売れて、誰かに届いて、読んで、面白がってもらって、あと利益が出る、そんな方法ってないんかねって酒飲みながら話し合ったガチで(仮題)

たかぱし かげる

00 さて説きなん


 最高の小説が、書きたい。

 自分のこだわりをとことん追求して、性癖をぶちこんで、思うさま主義主張をはりこんで、読者の脳に侵入しろ、感情を揺さぶれ、魅せろ、魅せろ、魅せろ。


 なにが最高の小説なのかは、分からない。

 流行り? テンプレ? 空行? 難しい漢字は使うな? 軽くて中身がない? え、重いと読めない? そりゃあすいませんねぇ。


 っていうか、読まれない。

 ……100000pvとか、3000フォローとか、同じサイトのお話なのかしら……? え、ランキング? ええ、載ったことございません。公募? 全敗中よね。


 でもでもでもでも。

「心の底から面白いと思うもん書いて、それが本になって、ちゃんと売れて、誰かに届いて、読んで、面白がって」もらいたいんじゃああああ!

(あと儲かってちやほやされたら、言うことなし)


 って思ってる人、手を挙げて~(たかぱしは、そんなワガママなこと、3ミリぐらいしか思ってませんので手は挙げません!)

 いやでも、多かれ少なかれモノカキはそう思っているでしょ。この願いのどこがおかしいって言うんだ。


 もちろん、分かってますよ。商業出版されるのは、ちゃんとたくさん売れる作品だけだし、それが当然のこと。プロの作家やりたいなら、“売れるもの”を書かなくちゃ、そりゃ駄目だ。


 そんなことは百も承知!

 だけど、“売れるもの”だけが良い小説じゃないじゃない。


 っていうか、このエンタメに溢れる時代、ありとあらゆる娯楽があの手この手で消費者の興味と金と時間を獲り合っている。

 小説も、そんな数多あるエンタメのひとつであり、そして戦況は甘くない。残念ながら、厳しい。利益を出せる小説の枠は、ぎちぎちと絞まってきてるんじゃないかと思う。


 日本にエンタメが読書くらいしかなくて。市場にみっちり1億人いて。そのなかで5万部売るのなら、わずか0.05%にとっての「面白い」で売れるだろう(……数字、合ってる?笑)。

 けれどエンタメに溢れた日本で。市場には移り気な10万人しかいないのなら。そのなかで5万部売れるのは、難しい。50%にとっての「面白い」でなくちゃいけない。

 しかも市場10万人にもれなく商品を売り込んで。それには目を引く要素が欲しくて。しかも人を選ばない面白さがないと駄目。

 “派手で無難”な物でしか、勝負できやしない。

 ※5万部…うはうは大ヒット。↑この数字は分かりやすくテキトーに書いただけだぜ!


 これが、今の日本の出版業界ってことなんだろう。


 確実に売れて利益の出せそうなものを出版したい。それは間違ってない。

 けれど、そうして出せるものは限られてくるんじゃない? 作品の多様性は切って捨てられてしまうのではない? 人を選ぶ面白さは、滅びるしかないんじゃない?


 作品の多様性がなくなることは、果たして小説にとっていいことか?

 小説と出版が生き残るための方法は、本当にそれが最適解か?

 この方法で日本の小説、そして文学は、100年後200年後にも生き残っていられるのか?

 っていうか、尖ったニッチな小説も読みたいんですけど!


 イヤだイヤだ。自由に小説が書けないのも、面白い小説が読めないのも!

 現状では利益にならないからって、素敵な作品が埋もれて死んでいくのを見るのは、もうイヤだ!

 命削って書かれた小説が、せめて誰かに読まれてほしいって理由だけで、無価値みたいにタダで扱われるのも辛すぎる。


 なにも方法はないのか?

 もっといい闘い方はないのか?

 絶対、小説にも、出版にも、小説投稿サイトにもネットにもSNSにもまだまだもっともっと可能性がある。あるはずだ。小説で直接の利益を得る方法だって。

 どこかになにか手があるはずだ。

 ツールやシステム、情報も溢れに溢れた時代じゃないか。

 ちょっとした発想の転換。意識の改革。

 それだけで、世界は変えられるんじゃないか?



 だから。

 自分が心の底から面白いと信じるものを書いて。それを面白いと思う人に読んでもらって。そこにちゃんと利益がでる。


 そういう仕組みを編み出さなきゃ、いけないんだ。


 ……というようなことを居酒屋の片隅でほそぼそと語り合った。二人の小説好きがね(誰やねんというツッコミはさて置け)。


 そうしてどうやらひねり出た結論が、


『だから、我々にはババアが必要だ!』


 だったのである。


 ……。…………。

 うん。なにをどういう話をしたら、そんな結論になるんだって思うだろ?

 っていうか、この「ババア」ってのは、中高年女性を蔑んで呼ぶときの、あの「ババア」では、ない。

 ただ、とにかくピタリとくる表現が「ババア」だったということで、敬愛を込めて仮に「ババア」と呼称させていただきました!

(けどもまあ、ババアはいかんね。ババアは。大変失礼しました。すみません)



 ともかく、なんでそんな話になったのか。聞いてくれ。そして一緒に考えてくれ。あなたも小説を愛する人間の一人であるなら。



 さて。ババア(仮)が本当に起死回生の一手になるのかどうか。

 ごろうじろ。



!!取り急ぎ「ババア」をマスキングする表現・単語を募集中!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る