第174話 王都の森でお金稼ぎ!!

 目的地は王都近くの森なので、普通に歩きで森の中に入っていった。既に、プティ、ガーディ、メリーも巨大化している。

 皆が戦闘態勢に入っていく中、私とソルは、その場で飛び跳ねたりと身体の調子を確かめていた。


「二人とも大丈夫そう?」


 私達の様子を見たシエルがそう確認してくる。


「私は平気。よく夜烏以外の服も着るから、違和感自体はそこまでない。戦闘に関しては、ちょっと心配だけど」

「私も大丈夫。大分慣れた。最悪、メレちゃんに聖歌を歌って貰って、鳴神を着れば良いし」


 私と違って、ソルには最強の武器である鳴神がある。鳴神を完全に纏えば、防具の補正による違和感など関係無しに動けるだろう。ちょっと羨ましい。

 防具面の心配があるけど、この辺だったらスキルで補えるはず。ちなみに、私達の現在のスキルはこんな感じだ。


────────────────────────


 ルナ[暗殺者]:『銃術Lv100(ユ)』『短銃術Lv70(ユ)』『長銃術Lv36(ユ)』『銃弾精製Lv118(ユ)』『爆破物精製Lv60(ユ)』『リロード術Lv108(ユ)』『体術Lv83』『短剣術Lv68』『捕縄術Lv11』『舞踏術Lv28』『投擲Lv53』『暗視Lv86』『潜伏Lv90』『気配遮断Lv71』『消音Lv83』『消臭Lv72』『隠蔽Lv30』『聞き耳Lv89』『速度上昇Lv87』『防御上昇Lv89』『器用さ上昇Lv83』『防御術Lv88』『回避術Lv95』『軽業Lv100』『急所攻撃Lv85』『防御貫通Lv68』『超集中Lv64』『騎乗Lv58』『見切りLv51』『気配感知Lv87』『弱点察知Lv67』『潜水Lv20』『泳ぎLv21』『登山Lv70』『痛覚耐性Lv110』『気絶耐性Lv50』『環境適応Lv35』『言語学LV91』『地図作成Lv15』『   』


 EXスキル:『解体術Lv64』『採掘Lv15』『古代言語学(海洋言語)Lv42』『古代言語学(地底言語)Lv40』『古代言語(魔界言語)Lv26』『古代言語(草原言語)Lv28』『古代言語(黄金言語)Lv24』『古代言語(氷海言語)Lv14』『精神統一Lv79』『クイックチェンジLv26』『暗殺術Lv24』


 職業控え:[冒険者][狩人]


 ソル[侍]:『刀術LV118(ユ)』『抜刀術Lv98(ユ)』『体術Lv53』『受け流しLv71』『防御術Lv76』『回避術Lv94』『軽業Lv82』『暗視Lv84』『聞き耳Lv80』『攻撃上昇Lv74』『速度上昇Lv95』『器用さ上昇Lv71』『急所攻撃Lv54』『防御貫通Lv53』『集中Lv82』『見切りLv80』『気配感知Lv81』『弱点察知Lv76』『疲労耐性Lv74』『痛覚耐性Lv48』『気絶耐性Lv24』『環境適応Lv24』『言語学Lv49』


 EXスキル:『採掘Lv15』


 職業控え:[冒険者][剣士]


 シエル[人形遣い]:『人形術(熊)(狼)(羊)Lv110(ユ)』『人形合体Lv42(ユ)』『着せ替え人形Lv54(ユ)』『従者強化Lv90』『潜伏Lv78』『暗視Lv67』『聞き耳Lv59』『攻撃上昇Lv33』『速度上昇Lv31』『集中Lv64』『騎乗Lv78』『気配感知L72』『疲労耐性Lv24』『環境適応Lv25』『言語学Lv29』

 EXスキル:『採掘Lv2』


 職業控え:[冒険者]


 メレ[歌姫]:『歌姫Lv98(ユ)』『聖歌Lv32(ユ)』『歌唱Lv82』『声量増強Lv34』『効果範囲拡張Lv81』『潜伏Lv22』『暗視Lv40』『速度上昇Lv30』『集中Lv40』『疲労耐性Lv20』『環境適応Lv38』『言語学LV18』


 職業控え:[冒険者]


 ネロ[獣人]:『猫Lv92(ユ)』『虎Lv42(ユ)』『白虎Lv18(ユ)』『暗視Lv82』『潜伏Lv70』『気配遮断Lv41』『消音Lv28』『消臭Lv40』『聞き耳Lv81』『攻撃上昇Lv50』『速度上昇Lv83』『防御上昇Lv70』『防御術Lv79』『回避術Lv83』『軽業Lv87』『急所攻撃Lv73『防御貫通Lv60』『集中Lv73』『見切りLv60』『気配感知Lv78』『弱点察知Lv49』『登山Lv34』『痛覚耐性Lv50』『環境適応Lv25』『言語学Lv30』


 職業控え:[冒険者]


 ミザリー[治療師]:『棍術Lv56』『光魔法Lv73』『回復魔法Lv85』「詠唱短縮Lv73」『光属性強化Lv60』『回復量増加Lv80』『暗視Lv64』『潜伏Lv58』『聞き耳Lv56』『魔力上昇Lv76』『速度上昇Lv74』『防御術Lv45』『回避術Lv56』『集中Lv59』『気配感知Lv40』『環境適応Lv31』『言語学Lv28』『地図作成Lv8』


 EXスキル:『並列処理Lv69』


 職業控え:[冒険者]


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 皆、ドラゴンとの戦いなどで、スキルレベルが上がっている。私の場合は、鬼の力のせいで感じた頭痛により、痛覚耐性が異常に上がっていた。こんなに上がっているのに、あの頭痛の強さは一切弱まらなかった。恐らく、またあのレベルの頭痛に襲われたら、今回みたいな爆上がりをするのだと思う。


「ルナちゃん、無理はしないようにね。あれから、ここでは戦ってないわけだし」

「え? ああ、うん。異変があったら、すぐ後ろに下がるから」

「約束だよ?」

「分かってる」


 そんな話をしていると、ブラックウルフの群れが襲い掛かってきた。群れの数は十二匹。


「『戒めの光よ』」


 ミザリーが先制でブラックウルフ達を束縛する。


「銃技『複数射撃』」


 アーニャさんに貰った銃は、黒闇天と同じく十発マガジンなので、十発の弾がブラックウルフに放たれる。動いていると厄介だけど、ミザリーのおかげで狙いやすい。十発の弾は、ブラックウルフの身体に命中した。


「……やっぱり黒闇天のようにはいかないか。ネロ」

「にゃ。もう終わってるにゃ」


 ネロは、いつの間にかブラックウルフのところにいた。そして、傍にいたブラックウルフ達の首が刎ねられ、一斉に地面に倒れ伏す。


「ルナちゃん、大丈夫?」


 戦闘が終わったところで、ソルが私に近寄って、状態を確かめる。


「平気。特に何も変化はないよ。さすがに、ブラックウルフじゃ強敵認定されないんじゃないかな。速攻で終わってるし」

「じゃあ、このくらいの敵だったら、大丈夫みたいだね」


 ソルはそう言った直後に、地面を蹴った。そして、こちらに近づいて来ていた黒獅子を白蓮で縦に斬り裂いた。


「本当だ。ちょっと違和感があるかも」

「違和感有りで、一刀両断ってどうなの?」

「凄いですね」


 シエルとメレが呆れと感嘆を示す。まぁ、どちらも気持ちは分かる。


「もう少し戦ってみていい?」


 ソルは、軽く素振りをしながら私達に確認してくる。


「良いよ」

「ありがとう」


 ソルは、そのまま駆けていって、近づいてくるブラックウルフと黒獅子を薙ぎ倒していった。その間に、倒したブラックウルフと黒獅子の解体をしておく。


「なんか、解体の速度上がった?」


 暇になって私の解体を見ていたシエルが、そう言った。


「まぁ、色々と解体しているしね。ドラゴンの解体も割と大変だったし」

「ああ……それはありがとう」


 私の解体も色々なモンスターを解体した結果、かなり速度が上がっていた。アキラさんにもかなり褒められた。

 そんなやり取りをしていると、ネロが私の服を引っ張った。


「どうしたの?」

「なんか来るにゃ」


 私の感知じゃ、まだ何も分からない。つまり、まだ遠いって事だ。


「ソル! 戻って!」


 私は、ソルを呼び戻す。ネロが態々報告するという事は、ここら辺にいるモンスターじゃない可能性がある。つまり、今行われているイベントのモンスターの可能性がある。どの程度の強さか分からないため、今は固まった方が良い。

 ソルがこっちに戻ってきた直後、私の気配感知にも反応が来た。


「向こうか。メレ、聖歌をお願い」

「はい」


 メレが聖歌を歌う。これで、ソルとシエルが全力で戦えるようになった。不測の事態が起きても対応出来るだろう。


「ルナちゃんは、突っ込んじゃ駄目だよ。動けなくなったら危ないから」

「分かってる」


 ソルは、事ある毎に私に釘を刺してくる。それだけ無茶な行動をした事があるので、さすがに文句は言えない。

 森の中から姿を現したのは、何故かいきり立っている鹿だった。名前は、アングリー・ディアーという。立派な角で、近くに生えていた木をへし折っている。


「何で怒ってるんだろう?」

「森を侵したとかじゃないでしょうか?」

「その割に、自分で木を倒してるよ? 森の守護者的な立ち位置なら、あんな事しちゃ駄目じゃないかな?」


 確かに、ミザリーの言う通り、森の守護者としているのであれば、木を倒すなんてしちゃいけないと思う。つまり、何か別の理由で怒っているんだ。


「ソルがモンスターを倒しすぎたとかじゃない?」

「えっ!? 私!?」

「シエルの言う通りかもね。一番説得力があると思う」

「ルナちゃんまで!?」


 そんなやり取りをしている内に、アングリー・ディアーが突っ込んできた。


「銃技『一斉射撃』」


 十発の銃弾が、アングリー・ディアー角と身体に当たる。頭を狙ったのだけど、やっぱりちょっとだけブレる。ただ、角に合計四発当たった結果、アングリー・ディアーの首が上に跳ね上がる。動きが止まったアングリー・ディアーの側面に、ガーディを纏ったシエルと白い光の爪を伸ばしたネロが通り過ぎる。直後、アングリー・ディアーの身体の側面が斬り裂かれる。アングリー・ディアーの注意が、私から二人に逸れる。

 ただ、アングリー・ディアーが注意しなくてはいけなかったのは、私でもシエルやネロでもない。


「『輝く杭の抑圧』」


 光の杭によって、アングリー・ディアーの身体が固定される。そこに、ソルが接近し、白蓮を振う。アングリー・ディアーは、角で白蓮を受け止める。


「!?」


 ソルが、角を斬れなかった事に驚いていた。これには、正直私も驚いた。ソルの技術と白蓮なら、角くらい斬るなんて造作もないと思ったからだ。一度アングリー・ディアーから距離を取ったソルは、スッと目を細めると、再びアングリー・ディアーに向かって突っ込む。


「刀術『七花八裂しちかはちれつ』」


 後ろに抜けたソルが振り返ると、アングリー・ディアーの角が粉々に斬り刻まれた。


「銃技『精密射撃』」


 マガジンをホローポイント弾に入れ替えて撃つ。技で補正すれば、確実に命中させる事が出来る。その考え通り、ホローポイント弾は、アングリー・ディアーの頭に命中した。アングリー・ディアーは、その場でビクッと震えてから倒れる。


「ふぅ……倒せた。ここら辺にいるモンスターにしては強かった。イベントのモンスターか何か?」

「それでしたら、報酬が貰えているはずですね」

「ああ、なるほど」


 メレに言われて、アイテム欄を確認する。すると、星見の筒というアイテムが増えていた。取り出すと、普通の単眼鏡だった。


「これなら持ってるんだけど……」


 若干困りつつそう言うと、メレが驚く声が聞こえた。


「す、凄い……!」

「どうしたの?」

「こちらの単眼鏡、ただの単眼鏡ではないです。覗いてみてください」


 メレに言われて星見の筒を覗いてみると、木陰にも関わらず、鮮明に見える。


「暗視付きか。それもスキルの暗視よりも上のもの。それに、倍率変化も出来るのか。思ったよりも良いものだった」

「早合点は駄目ですよ?」

「あ、はい」


 凄く優しくだけど、メレに怒られてしまった。まぁ、性能の確認もせずに落胆していた私が悪いんだけど。


「イベントももう終わりだから、倒せて良かったね。結局、全然イベントモンスター倒してないし」

「ああ、そういえば、ソル達は前に一体倒したんだっけ?」

「うん。二分の一の確立で即死回避出来るアイテムだよ」

「劇的に良くなるアイテムはないのか」

「前のイベントモンスターのところで、ジークから聞いたけど、基本的に使い捨てで且つ使い勝手の悪いものが多いんだってさ。今回は当たりの方みたい」

「へぇ~」


 星見の筒で良いもの判定が出来るのなら、貰えるアイテムは本当にちょっとしたところで便利みたいなものが多いのだと思う。


「それじゃあ、切り替えて、クエストに必要な素材を集めに行こう。解体の時間も必要だし」

「分かったにゃ。取りあえず、この先にブラックウルフの群れがいるにゃ」

「ありがとう、ネロ」


 ネロの索敵に引っかかったモンスターを夜まで狩り続けた。基本的にソルとネロがいれば、簡単に狩れるので、私はひたすら解体を続けた。素材は、皆で平等に分配して、最後にギルドでクエストを達成してお金を受け取ってから、皆と解散した。

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