⊶ÐetermiNÅnt⊷‐デテルミナント

プロローグ

　遥か昔。世界にまだ生命（いのち）も無かった時代…物質を構成する最小単位の粒が複雑に混ざり合い自己複製機能を持ち情報を保持する生命の基本構成要素（デテルミナント）が誕生した。

　非生物から生物へ…無秩序から秩序へと…途切れることなく繰り返される流れの中で生命（いのち）は、より多様に、より整然に、より高度に発展していった…。

　長らくして人類が誕生すると、人は自然の中から法則性を見出し、技術を研鑽し科学を手に入れ、やがて生命の根幹に存在する基本構成要素（デテルミナント）を発見する。

　ほどなくして、それが、この世の不可思議を形作る根底にあることを知ると人々はこれに創意工夫を重ね魔法の存在を手にし、自らの欲望を叶える術（すべ）として利用する。

　それらはやがて、一人の少女を巡る物語へと繋がっていった…。