第182話 色気も違う……と思うよぉ?

 ゴールデンウィーク突入2日目の日曜日。

 わたしと彼にとっては初日。前日の土曜日は大学があったし……。土曜日の夜に、我が家に集合した女子4人も、ほぼ、そのはずだ。


 因みに、日曜日に合流してきた、良識のある男子ふたりは、この日の夜遅くまで、彼の部屋で話し込んでいた。男の子同士の積もる話もあるのだろう。

 彼のそういう部分を最近見かけないからなぁ……。まぁ、わたしの所為せいでもあるんだろうけど……。でも、楽しそうでなにより。

 そんなわけで、月曜日の朝の始動は遅めのようだ。



 そんな、早い時間に起きてこない男子陣は放っておいて……。

 ゴールデンウィーク3日目。暦の上では『昭和の日』だ。

 女子4人は、わたしの朝の日課についてきた。向かうは、近所の『躑躅』でちょっと有名な神社。4月いっぱい、『つつじ祭り』が開催されている。

 見たい! とがんばったのが、中学来の親友である美亜みあちゃん(仮名)。日中になると、すごく混雑するから、朝のうちに行きたかったらしい。


「う〜ん、でも、もうピークはすぎちゃってるよぉ……」

「どうして教えてくれないんだよ」

「だって……、聞かれなかったし……。でも、『つつじ祭り』は明日までやってる」

「だから、その人混みがちょっとなんだよ」


「先週がちょうど良かったよね? ひなちゃん(仮名)?」


 とは、先週末もうちに来ていた、我らが妹・美琴ちゃん(仮名)。悔しがる美亜ちゃんに、『画像見る?』って、スマホを差しだす。さらに悔しがる美亜ちゃんがおもしろい。


 普段は、『花より団子』じゃない? って呟いたら、睨まれて、頬を引っ張られた。


「わたしだって、食い気より色気が勝る時があるんだよ!」

「美亜ちゃん? それって、色気も違う……と思うよぉ?」


 っさい仲間の莉緒りおちゃん(仮名)のツッコミが入った。


 そして、わたしの頬がつままれた……。なんでだよぉ……。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 近所をひとまわりして帰宅すると、男子たちも起きていた。

 軽めの朝ごはんをみんなで食べて、この日の予定をこなすために行動を開始した。

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