第169話 本気出してくるんだよぉ

 昨日水曜日が年内最後の大学だった。

 そして……?


 本来なら、我らが妹・美琴みことちゃん(仮名)の家庭教師のため、美琴ちゃんのいえにお邪魔するはずだった。

 しかし……?



水曜日今日、わたしが、ひなちゃん(仮名)に行ってもいい?」


とのメッセージが、水曜日の朝もよから、わたしのスマホに着信した。

 ひと足早く、冬休みに突入していた美琴ちゃん。相当、暇を持て余していたようだ。

 美琴ちゃんの希望により、大学の正門前で待ち合わせだ。寒いだろうからと、大学最寄り駅前のカフェ(チェーン店である)にしようという、わたしからの提案は即時に却下されていた。



 そんな美琴ちゃん、学期末は怒涛のせわしさだったと、来るたびに愚痴をこぼしている。基本聞き役は、当然のように彼なのだが……。



 期末テストは、ついに1位タイ(今回は同点が7人)に登り詰めたとのこと……。クラスでは大騒ぎになったそうだが、先生たちは意外にも冷静だったとか? 美琴ちゃん曰く。


「ひなちゃん、最初からじゃん!」



 テスト明けの大ディベート大会は、先生チームの圧勝だった……。「大人気ないなぁ、先生たち」と言うわたしに……。


「ホントだよ。去年、ひなちゃんたちに負けたからって、高校生わたしたち相手に本気出してくるんだよぉ」



 終業式当日(金曜日)の、クリスマスライブは、すごい好評だったらしい。発表の場が欲しいという校内の団体に制限をしなかったら、申請が来るわ来るわ! 琴の合奏まであったらしい。


参加団体みんなには感謝されちゃった! ひなちゃん、良くこんなこと考えたね?」



 終業式翌日(土曜日)のクリスマスパーティーも盛況だった……とか? 中等部生の参加が多かったようで、生徒会諸君は、さらに大忙しだった……とか?

 まぁ、楽しそうだから良かったんじゃない……かな?

 何事も経験だよな……と言う彼の言葉に。大きく頷いてる美琴ちゃん。ふたりに揃って見つめられるわたし……。


「ひなちゃんのおかげで、今年はたいへんだったよ! 楽しかったけど」



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 なんだか、結果報告だけで終わってしまった。

 この日、美琴ちゃんと美術館に行ったんだけど、このお話は次回に持ち越し……か?

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