第114話 疑ってるんだけど?
合格発表の当日、合否を確認したわたしと彼と友人。
あ、彼……とは、現在、リアルの世界で、わたしがおつきあいしている、
そして、友人……とは、中学来の親友である、
親友の美亜ちゃんの行動が、異常に速かったことに戦慄を覚えるわたし……。
この日、一緒に来なかった四人の親友から、『おめでとう』のメッセージが、瞬時に舞い込んできた。なんちゅうレスポンスの良さ?
わたしのスマホに届いたメッセージは、どれも簡単なモノだった。まぁ、『おめでとう!』とか、『やったね!』とか……。
そして、わたしのそれに、やや遅れること数分。数分?
彼のスマホにもお祝いの言葉が届き始めた。画面を見ている彼が苦笑を浮かべているのが
「どしたん?」
「ん? なんか、みんな、すっげぇ長文なんだけど? それに、みんな、本当か? って疑ってるんだけど?」
彼の困惑を聞いた、美亜ちゃんが笑いながら話しだした。
「みんな、ひな(仮名)の心配はしてないんだよ。受かる前提でいるからな! でも、渡瀬は落ちる前提だったから、悪い冗談だとでも思ったんじゃねぇの?」
美亜ちゃん、みんなに、どんな内容で知らせたんだ?
不思議に思い、わたしが美亜ちゃんを窺うと、小悪魔の微笑みを浮かべてた。
これは、わたしと
捻りもオチもないけど、
卒業したばかりの高校にも報告に行った。美亜ちゃんが、先回りして連絡していたようだ。教員室に顔を出すと、普通課程の先生たちが大騒ぎしていた。
今年は、特進課程から、この大学の合格者が出なかったそうで、ヒヤヒヤしていたそうだ。
ここでも、先生たちから、『◯◯の奇跡、再び!』とかって、手荒い祝福を受け、困惑する彼の姿はおもしろかった。
奇跡じゃないよ! 彼ががんばったんだ!
ちょっとだけ、反抗的に頬を膨らますわたしには、気づいてないんだろうな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます