第113話 慰めてやんなきゃ

 昨日は、わたしが本命? としている(何故、? なのかは、以前にも語ったことがあるけれど……)大学の合格発表がありました。



 この日、彼とふたりで見に行こうと待ち合わせてたところに、もうひとり、友人が加わった。

 あ、彼……とは、現在、リアルの世界で、わたしがおつきあいしている、渡瀬わたらせつかさくん(仮名)である。つきあい始めて、無事10ヶ月を迎えた。まぁ、現状はらぶらぶ♡なのである。いやん!

 そして、友人……とは、中学来の親友である、大槻おおつき美亜みあちゃん(仮名)である。


 他人の合格発表に同席して、なにが楽しいのか、聞いてみた。

 そうしたら……。


「ひな(仮名)は心配してないけど、渡瀬はダメだった時には慰めてやんなきゃダメだろ?」


 とのこと。失礼だな、おい!

 まぁ、彼も、本来であれば本命視していたはずの大学には、すでに合格しているのだ。行くところがない! というわけではない。わたしが、彼にくっついていってもいいんだし……。というか、そのつもりではあったりする。


「司くん? もしダメだった時は、美亜ちゃんが、このデッカい胸で慰めてくれるって」


 茶化したわたしの頭に、美亜ちゃんが拳骨を落としてきた。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 わたしは、無事に合格していた。

 そして、彼の番……。


「あった……」


 呟く声が震えてた。

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