第111話 もったいないくらいで……

 前日(月曜日)、無事、高校の卒業式を迎えたわたし。

 で、翌日(火曜日)。学校がないと、基本、普段の家のことをする以外、やることがないのだ。



 暇を持て余してる? だろう、そんなわたしを、ランチに誘ってくれたおとながいた。

 現在、リアルの世界で、わたしがおつきあいしている彼、渡瀬わたらせつかさくん(仮名)のお母さまである。渡瀬くんとは、つきあい始めて、もう10ヶ月。


 いつものように、わたしの自宅前まで迎えにきていただいた。申し訳なさでいっぱいなわたしに。


「娘と出かけたりランチしたりって楽しいのよねぇ〜。うちの息子はつきあい悪いからね。憧れてたわぁ〜」

「わたしも、お母さまとお出かけするの、楽しいですよ」

「ひなちゃん(仮名)は、ホントにできただ。うちの息子なんかが彼氏で良かったのかしら?」


 お母さまは、いつもそう仰る。


 今日は、お母さまとふたりだけの回だった。相変わらず、彼は、自宅に置き去りである。

 わたしの住むこの地方ではけっこうメジャーな、ハンバーグを提供するお店で、目玉焼きの乗ったハンバーグを食べながら、前話第110話の、彼との話題が持ち上がった。


「司から聞いたよ! なかなか大胆なこと言ったんだって?」

「えへへ、はしたなかったですかね? やっぱり」

「まぁ、相手に面と向かって言うわけだから、はしたなくはないでしょ? でも、ホントにいいの? つかさで……? ひなちゃんなら、もっと高望みしても問題ないんじゃないの?」

「いえいえ、わたしにはもったいないくらいで……」



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


「明日、ふたりで、部屋、見ておいで。旦那の友達が案内してくれるそうだから。ひなちゃんも一度会ってると思うよ」


 そう言いながら、わたしに、書類の入った封筒をくださった。

 いやいや、まだ、合格(発表は今週末だ)していませんが……。


 あ、お母さまの言う大胆なことは、次の回に投稿予定である。あまりにも幼稚で恥ずかしいので、投稿を迷っていたりもする……。

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