第33話 酷い顔してるぞ

 今日の『語録』は、少し真面目な話(つまらないと思うよ)……だと思う。



 実は、わたし、幼少の頃、酔った祖父に暴力を受けたことが、何度もある……というのは、別の作品で書いたことがある。

 首を絞められて死にそうになって、そのトラウマで、首元に巻きつくモノが恐い……というのは、ここでも書いたことがある。制服のタイは、襟元で留めるタイプだから、なんとか我慢してるんだ。

 その元凶の祖父は、すでに他界してるので、今、被害に遭うことはないのだが……。


 しかし、ここ最近、夢に出てくるのだ。本当にいい迷惑である。普通、初孫は無条件にかわいがられる存在だったはずなのに……。

 祖父母の家で、父の帰りを待つ毎日をすごしていたわたしが、自分に懐かないと逆上し、酔った勢いに任せて、小さかった(今でも小さいけど……)わたしの首を絞める祖父。小さかった(今でも小さいけど……)わたしが、大人の男の人の力に抗えるわけもなくて、もう生きられないんだなって諦めちゃった、と同時に意識を失う……、ところで目が覚めるのだ。

 寝落ちしてて記憶のない時間を確認すると、ほんのニ、三十分くらい。でも、その後、同じ夢を見てしまうことが怖くて眠れないのだ。


 ということで、ここ10日くらい寝れてないのだ。長くても一時間くらい……って、どれだけ不健康なのだろう。元々、睡眠時間の短いわたしでも、さすがにこの状況はキツい。

 根本的な原因がわからないから、解決策も思い浮かばないし……。『夢』の本とかも読んでみたけど、ここまで実写的なモノだと該当するものもわからない。


 その、寝れてない状況を、美亜みあちゃん(仮名)が感じとった。


「ひな(仮名)? 酷い顔してるぞ」



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 今日のわたしは、「そこは、酷いって言うんだよ」というツッコミまで持っていく余裕もなかったみたいだ。

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