ひだまり語録

浅葱 ひな

第01話 おっきくなったか?

 新しい年を迎えて、数日。


 今日から新学期。そして、登校初日。

 駅を出て、会社の送迎バスのバス停に向かうお父さんに、「いってらっしゃい」をする。そして、わたしは学校行きの送迎バス乗り場に向かう。



「あけましておめでとう。ちっとはおっきくなったか?」


 背後から、聞き慣れた声がした。その挨拶とともに、わたしの両脇の下から、手が伸びてくる。その手がわしゃわしゃと蠢いている。

 わたしからの新年の挨拶も終わらないうちに、その手は、わたしの小さな胸の上で止まり、制服の上から揉み始めた。


「たった二週間でおっきくなったら、誰も苦労しないよ」


 慎ましいわたしの胸を揉む、親友の手の甲を抓りながら、振り返る。そこに立っていたのは、やっぱり親友の彼女で……。

 彼女の名前は、大槻おおつき美亜みあ(仮名)ちゃん。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 次回は、そんな彼女との出逢いの時を振り返ってみようかな?

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