暁―アカツキ―

三点提督

プロローグ

「いよいよこの時がきたな」

「そうだね、お兄ちゃん」

 卒業試験最後の課題、それは学年最上位2名による『暁に選ばれし者』の称号の獲

得戦だった。

 そして今、僕達2人はその代表としてそこに立っている。

 ――まさかこの僕が本当にここまで来れるなんて。

 正直驚きだった。何故なら入学当初はこの学園で最も劣る存在……と言ってしまう

と少しばかり、いや、かなり語弊が生じてしまうのだが、しかしあながち間違いでも

ない特殊なクラスに所属していた為、例えこの3年間でそれなりに実績を上げてきた

とは言え、まさか本当にこのような事になるとは思ってもいなかった。

 ――さて、そろそろ時間か。

「行くよ、胡桃」

「うん……ねぇ、お兄ちゃん?」

「何だ?」

「――」

「……そうだな」

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