2021-03-08

あくせく働いたとして、これっぽっちの金しか手に入らないのなら。


大人というのは、どうにも金がかかる。

生活費はお世辞にも安いとは言えず、

ただ住んでいるだけで給料の半分以上は飛んでゆく。

ご時世だから、旅行にだって行けやしない。

俺は、日常から抜け出してさまざまなところにいくのが好きなのだ。


会社という組織に属していても、何ら生きがいなどない。

意思決定には煩雑なプロセスが絡み、俺のような下っ端には

意思を示す隙間すら存在しない。

俺に求められているのは、

効率よく業務をこなし、志は高くも社の意思には背かない機械となることだ。

世間ではそれが素晴らしいことのようだが、

俺にはどうもストレスにしかならない。


就職すれば、金にはある程度の余裕ができるものだと思っていた。

就職してみれば、学生の頃と何ら変わらない苦しみが残るだけ。

金が増えた分、しがらみによる出費が増えるだけ。

俺でない部分に、出す金が増えるだけ。

多くの人に、生き急いでいるようだと言われた。

その通りなのだと思う。

安定もしないのに生活を一にするものが増えると、こうなる事は分かっていた。

だが、安定とは何だ。


仕事をしていて思ったのだが、これを続けられる自信がない。

やめられるのなら、今すぐにと思ってしまう。

そんな気持ちで居る限り、安定などどこにもない。

来年のことだって、全くもってわからない。

仕事とは、なんて苦しいものなのだ。

苦労が前提で、安心など、安定などどこにもない。

苦労の先には、それ以上の苦労が待っているだけだ。


SNSで、同年代の貯金額とやらを見る度に絶望する。

俺なんて、君達の10分の1ほどしかない。

君達がSNSで見せる側面は、どうにも優秀すぎるのだ。


俺は、どう生きたらいい。

人生には、正解がない。

どう生きても間違いだ。

どいつもこいつも、こんなものに耐えて生きていると云うのか。

なら、耐えられないと思うことは、あんたらにとっては間違いか。

俺は、甘えていると言われるのだろうか。

耐えなければ、最低限の生活すら成り立たないと云うのか。


何処かに安心を見出そうとすると、

必ず何かが安心を壊しに来る。

恐ろしくて堪らない。

歯痒くて堪らない。

栓の無いことだって聞いてくれよ。

近頃、俺は、安心が欲しい。

昔欲しかった、地位や名声など、最早どうでも良いと思う。

学生の頃やった努力など、幻だった。

身になることはあれど、安心などもたらさない。

世界広し、人生長しと云えど、この事は変わらないだろう。

死んでしまいたいけど、死ぬ事すら怖い。


考えた事、感じたことを文字や作品にして、人生の終わりを待って居たい。

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