2021-01-17

分からないことが分からない。

誰も彼もの言葉が、酷く独善的に聞こえる。

何も分からないから、頭に浮かんだ仕様もないことを書く。


ルール、規範はエゴだ。

誰もが持つ程度の低い我儘のうち、

たまたま共感する人間の多かったものがそうなっているだけだ。

若しくは、力のある人間の我儘がそれだ。

力とは、この社会では権力と読み換えて差し支えない。

どれだけ正しかろうルールであっても(例えば法律)、

それに共感する君達自体が大衆の一部であり、マイノリティを排している。


だから、正しさはエゴだ。

正義はエゴだ。

しばしば、ルールや規範に正しさが後ろ盾するからだ。

俺達は、生きている限り独善的だ。

生きることは、独善をなすことに他ならない。

大半の人間は、正義のもとに在ろうとするからだ。

彼等の正義は、エゴを最もらしさで囲った、暴力的なものだ。

彼等は、今日も確固たる正義で悪しきを排してゆくだろう。

ただ一つ正しかろうがあるとするならば、

それは正しさなど無いということだろう。


別にマイノリティに配慮しろと言いたいわけではない。

生きていくことは、我儘のぶつけ合いだということだ。

互いの我儘を、より最もらしく誤魔化した者が勝つだけだ。

それが正義と呼ばれるのだ。


そして、それに気づくのが遅すぎたというだけだ。

俺は、もっと、万人に納得がいく確からしさがあると思っていた。

何か、人間の感情と切り離された正しさらしいものがあると思っていた。

そう思ってきたから、正しさに少し依存してしまっていた。

何か正しいと思えるものを、信じて行動した時期が長かった。

それが行動原理に近い部分に棲んで仕舞っている。

今更、いまさら正しさがないということを知って、

この先どう生きていく。


この体は、正しさを目指して動くことに慣れて仕舞った。

君達に撒いた正義が無いという批判は、そのまま俺に返ってくる。

俺は、この先どう変わっても、どう生きても、正しさには辿り着けない。

そもそも存在しないのだから。

正しさがないと感じてから、向上心の類が酷く気持ち悪く感じる。

向上したいというのは、一般的に最もらしい欲求で、

正しさにとても近いところにある。

人間の多くが抱くべきとされる心情だ。


俺は、正しく生きたかった。

努力をして居れば、何か正しさに準ずるものを得られると期待していた。

それが依代でなかったというには、あまりに根拠に乏しい。

俺はもう、かつての俺が思った正しさに向かうレールの上だ。

そしてそのレールの果てには、何もない。果てもないのかも知れない。

正しさが存在しないからだ。

そこから脱線することは出来ても、これ迄の努力は全て無駄になる。

軌道を外れたら、もう何かをするモチベーションを起こせそうにない。

俺のモチベーションは、正しさに大きく依存していたから。

虚しいデッドレースを、盲いた目でひた走ることくらいしか出来ないだろう。

それでさえ、今の俺はどれだけ続けられるだろう。


どの道も、走ろうとすること自体が気持ち悪い。

この状況を打破しようとする事も、傲慢だ。

正義依存症の俺は、これからどうすればいいのだろう。


多分、たぶん、生きていくためにはお金が要る。

お金を稼ぐには、仕事が居る。

仕事は、俺の大嫌いな正しさを要求してくる。

社会は、正義と云う名の我儘で満たされている。

本当に、社会で生きていくのは、難しすぎる。


そして、こんな思想は我儘として一蹴されるに決まっている。

だから、誰にも打ち明けられないまま。

どうせ、皆これくらいのことは我慢して生きているのだろう?

我慢できない俺が悪いのだろう?

君達の様な人生のエキスパートになりたかった。


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