2020-12-17

自己啓発だの、自己実現だのそう言った類の言葉が嫌になる。


少なくとも日本人の多くは、自己の能力を磨き、少しでも自分の願いを実現せんとする。

そして社会のそれに対するスタンスは、「素晴らしいこと」らしい。

俺のいう社会は、ほとんど世論や大衆と読み替えてもらって構わない。


が、その実、社会人とはなんとも私利私欲に塗れたようなものばかりだ。

主張は利己的、なぜか彼らの背後には常に正義がある。


俺が気に入らないのは、自己を大切にすることを大変よしとするこの風潮だ。

君達は、自分のことがとても大事でたまらない様だ。

公然と、自分磨きだのなんだのと、飽くことなく繰り返している。

まずは自分に磨くほどの価値があるのかを考えた方が良い。

一度きりの人生だからなんだというのだ。

自己実現とは、体の良い我儘の免罪符でしかない。


社会人は、彼らの我儘を体良く繕うことが上手くなっただけの、小僧にすぎない。

それなのに、何か素晴らしいことをやっているような出立ちをしているから、

見ていて非常に気分が悪い。


そんな事をするより、なぜ生きているのかを、

虚飾無しで饒舌に語れる様になるまで、人生について考えなければならない。

只でさえ無価値な人間を、これ以上甲斐性無しにしてはいけない。


一番悲しいのは、俺もその中の一人でしかないと言うことだ。

人生をかけて、社会人などから少しでも外れることのできるよう、

思考を止めてはならない。




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