浮世に散った

浮世に散った 魂は

我の時間を 突き抜けて

痕跡あとを残さず 遠ざかる

あらゆるものを 置き去りに

何も語らず 去ってゆく


溢れるような 微笑みも

血肉や骨や 温もりも

霞の如く 掻き消えて

掻き抱こうと 藻掻いても

指の間から すり抜ける


我の時間が 止まっても

巡る季節は 止まらない

老いゆく我が身 嘆いても

時間ばかりが 過ぎてゆく


木霊が響く 闇の中

激しく悲しい 叫び声

何故に貴方は 嘆くのか

涙の粒が 砕け散り

破片が心に 突き刺さる

叫び疲れた 魂を

そっと静かに 抱き止めて

いつか必ず 眠らせん

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