その夜に

斎場で


横たわる父の顔は

亡骸なきがらと呼ぶには

あまりにも穏やかで綺麗で

本当にただ眠っているだけのようで

それでも触った頬の冷たさが

父の魂が旅立ったことを

わたしに思い出させる


道しるべの線香を絶やさぬように


おとうさん、眠れないから

もう少し話していてもいいですか?


現世の父といられる残り少ない夜が

静かに静かに過ぎていく

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