ホムラ
遥かなる蒼天の下、二頭の
一体で地形すら変え得る大魔獣が三頭。この世の終わりかと見紛うような光景だ。
スレンと強烈な眼光を輝かせて敵意を交換していた二頭のガルダ。一対のつがいである彼らが不意に山間に響き渡る鳴き声を上げる。すると乾いた空気が覆う晴天に、徐々に湿り気を帯びた風が吹き始めた。二頭のガルダが協力して嵐を呼び込もうと水精霊に働きかけ始めたのだ。
「……この程度で私を抑え込もうなんて―――!」
もちろんフィーネがそのまま座して見ているはずがない。彼女もまた更に水精霊への干渉を強める。
流石は両界の神子と言うべきか。強大な《魔獣》が二体がかりでもなお水精霊への干渉合戦はフィーネが優勢である。だが予期しない二頭目の出現による動揺と相まって、フィーネの余裕を著しく削っていたのも確かだった。
「しまっ……!?」
その動揺がフィーネの隙を作った。
フィーネとの水精霊への干渉合戦に素早く見切りをつけた一頭が最も巣に近い位置にいる邪魔者―――つまり、ジュチを排除にかかったのだ。
もちろん巫術という間接的な手段ではなく、その強大な爪や嘴を用いた殺害という直接的なやり方で。
ガルダはその巨体に反し、より小型の猛禽に近い敏捷さの持ち主だ。ジュチの元まで辿り着くまで数秒も必要としない。
「こん、のぉっ! お願い、
咄嗟に風精を呼び集め、作り上げた強烈な
それはガルダすら地に叩き落とすほどに凶悪な代物であったが、今度は手が空いたもう一頭のガルダが水精霊の干渉を強めるとともにスレンへ猛然と襲い掛かる。
応じたスレンが咆哮を上げて迎え撃つと、自然とそちらに意識が割かれる。すると
(マ、ズイ…! 本当の、本当に、ジュチくんが危ない―――!)
結局のところフィーネは王女であり、戦士ではない。正面からならば《天樹の国》の戦士を束にしても叩きのめせる怪物じみた異能者だが、戦場にあって同時に幾つもの事柄を臨機応変に対応できるほどの経験は積んでいなかった。その実戦経験の薄さが裏目に出た形だ。
結果として、フィーネの援護も間に合わず、ジュチとガルダを遮るものはもう何もない。
間に合わない…、実感としてそれを悟ったフィーネを絶望が襲う。
「ジュチくんっ!」
フィーネの叫びは暗い未来を予期するかのように、悲痛さが強く滲んでいた。
◇
ここが己の命の懸け時か、と。
アゼルは透徹とした明瞭な思考の下、静かに覚悟を決めた。
眼前で繰り広げられる人知を超えた大魔獣同士の激突。そして今まさに幼い命を散らされようとしている弟分の姿があった。
この大激戦の中果たしてどれ程の働きを為しえるか、アゼル自身確証など無い。かの大魔獣の前ではどれほど腕の立つ勇者であろうと、全ては虚しく蹴散らされるだろう。
それを知ってなお、死地に身を投じる者は愚かとしか言えまい。
(
冷静に考えるならば、アゼルは一目散に逃げるべきなのだ。
最早ジュチの目前にまでガルダは迫っている。命を救う手段がない、到底間に合わないだろう。出来て時間稼ぎが精々か。そしてそれすらも命懸け。
だが状況の転び方次第で、ジュチが摘んだ霊草を収めた荷袋ならばまた時間を置けば回収の目もあるかもしれない。一度退いてから回収した霊草を部族まで持ち帰ればいい。ジュチの死は残念だが、必要な犠牲だったのだ…。
(あいつが繋いだ細い細い希望の糸、決して断たせん)
が、そんな賢者の思案をアゼルは検討すらせず一蹴した。
この場で最も死に近いのはジュチなのだ。
ともに死線を潜る程度のことをやってのけねば、どうしてあの少年の兄貴分を名乗れようか!
アゼルは冷静で、理知的で、腕の立つ
「ジュチよ、逃げろ! そう長く引き付けることは出来んぞ!」
隠れていた大岩の陰から身を晒し、立ち上がる。更に腹の底から大音声を張り上げ、ガルダの注意を引く。同時に背負った矢筒から矢を取り出し、弓弦につがえるとよく引いて
柳の枝と畜獣の腱から作り上げた合成弓は強力な張力を遺憾なく発揮し、逆さまに天へ翔ける流星の如くガルダのいる上空へと矢を飛ばす。
流石は部族屈指の弓取りと言うべきか、アゼルが放った矢はジュチへ襲い掛かるガルダの眼球を正確に射抜かんとしていた。
如何にガルダと言えども、眼球を射抜かれれば相当な深手となる。アゼルが出来る数少ないガルダ相手でも有効な攻撃だった。
『
だがその一矢を儚い抵抗と嘲笑うかのように、ガルダは咆哮とともに周囲の風を無茶苦茶に荒れ狂わせた。デタラメな乱気流に飲まれた一矢はその軌道を狂わせ、ガルダの羽へ突き刺さるに留まった。
その一撃もガルダの巨躯からすれば一本の針が浅く刺さったようなものだ。到底ガルダを押し留められるような痛手ではない。
(やはり、ダメか…! すまん、ジュチ。すまん、モージ。それにツェツェクよ。俺の無力を許せ…)
だがせめて、一矢は報わんと二の矢を弓弦につがえる。
ギリギリと音が鳴るほどに強く弦を引き絞り、ガルダが纏う風の乱気流を突き破らんと念じた渾身の矢。
仮に上手くいけばそれこそガルダの逆襲に遭ったアゼルの命はあるまい。だがその価値はあろうと迷わずにアゼルは矢を握った指を放そうとした、その瞬間。
「―――なんだ、何が起こった!?」
活火山の爆発に似た天を衝く劫火の柱が、突如としてジュチが張り付く断崖から噴き上がった。
◇
今生で二度目の走馬燈がジュチの脳裏をグルグルと過ぎっていく。
眼前に恐ろしくゆっくりと、しかし決して逃れられない『死』そのもの。ガルダの爪牙がジュチの矮躯に迫り来る
目に映る全ての動きが鈍い。まるで粘つく水の中に閉じ込められたようだ。
一秒を何十倍にも引き延ばす死の間際に発揮される集中力。逃れられない死の淵から何とかして抜け出すために与えられた刹那の久遠。
(ダメ、だ…。逃げられない)
だがその与えられた時間を以てしてもどうしようもない、という厳然たる事実がジュチを襲う。
当然の話だ。断崖絶壁になんとか張り付いている状態でガルダの襲撃を凌げるはずがない。一か八かで飛び降りるには高すぎる。死因が転落死に変わるだけのこと。
(せめて…)
だが最後の抵抗として摘んだ霊草を収めた荷袋だけは無事に済ませねばならない、と後ろ向きな決意を固めるジュチ。
こうなると、分かっていたのだ。途方もない困難に挑むと決めた時、自身の死は既に覚悟していた。後はその覚悟を実行に移すのみと。
そんな、最後の抵抗に臨もうとしたとしたジュチの横っ面を、
「クアアアァ―ーー!」
鳴き声を上げた火蜥蜴が唐突に引っぱたいた。
ジュチの主観上限りなく静止した世界の中、火蜥蜴だけがいつも通りに動き、意志を交わさんとする。宿主に憑りつき、精神的に密接に結びつく精霊獣だからこそ出来る裏技だった。
(お前…)
唐突にこちらの横っ面を引っぱたいたのは如何なるつもりなのか。
叱咤激励か、それとも怒りの発露か。
あるいは何かを伝えようとしているのか。
そう言えばフィーネはこいつのことで何か言っていたような…。
(なんだっけ、か…)
ぼんやりと、思考すら鈍ったままうっすらとした記憶をたどる。
(名前、そうだ。こいつの名前を付けてやらないと…)
いずれこいつに名前を付けるべきだと、フィーネは言っていた。そうすればジュチも強力な巫術師となれるかもしれないと…。
場違いに脳裏を過ぎった思考は、不意に一つの思い付きとなってグルグルと頭の中を巡り形どっていく。
(なんで、お前はあの時名前を撥ね除けた…?)
火蜥蜴の尾に灯るささやかでちっぽけな火から連想した名。
それをこの精霊獣は拒絶した。
何故だろうか?
(……ちっぽけで、弱々しい炎。
この火蜥蜴は何時だって傍若無人で、自由だった。地を這いながら周囲を見下ろすような奇妙な気位の高さがあった。やや性格の悪い、悪戯好きな一面もあったが…。
こいつは元を辿れば
ジュチの持つ
その幼竜がいま、俺に賭けろ、と目で語り掛けてきている。
こいつは間違っても仲間ではない。友でもないし、敵でもない。ただ隣り合い、いつの間にかジュチの右肩に居座っていたおかしな奴。
だがまあ、嫌いではない。いつも右肩に居座るこの蜥蜴もどきを不思議と受け入れている自分がいることをジュチは知っていた。
(賭けばっかりだな、俺の人生…。まあいいさ、乗ってやる)
苦笑を頬に刻み、その賭けに乗ることに決める。
その奇妙な人ならざる隣人への贈り物ついでに最後の機会を預けてみるのも悪くはない。どの道このままでは末路が目に見えているという事情もあったが。
どうだ、とばかりに問いかける視線を送ればまあいいだろう、とばかりにやけに人間臭く、偉そうな頷きが返される。普段は腹立たしい類の仕草だが、今は不思議と心強い。
(くれてやる…お前の名前、お前に相応しい名前を!)
そして名を与えるのなら、その名に応えるだけの『力』を俺に示せ!
「お前が俺に憑りついて、俺の人生を楽しもうっていうのなら好きにしろ。その代わり家賃代わりにお前の『力』を貸しやがれ!」
一拍の間を置き、少年は高らかにその『名』を叫ぶ。
「―――
ホムラとは
何よりこの世界で前世を知るジュチだけが名付けられる、世界に一つだけの特別なナマエ。
これ以上の名なぞ咄嗟に捻り出しようがない。なにか文句があるかと名付け子を睨みつけると、幼竜―――ホムラが
「
ジュチとエウェルを包み込むように、守るように。さながら火山の噴火の如き勢いで劫火の柱が突如として《精霊の山》の断崖に顕現した。
ジュチら主従には陽だまりの如き暖かさだけを与える火柱は、一方で迫りつつあったガルダが身を翻すほどの膨大な輻射熱を振り撒く。今までのような幻想の炎ではない、現世に実体として影響を及ぼす精霊の炎。
「お前の仕業なのか、ホムラ!?」
ホムラが纏う不敵な気配がその問いに対する答えだ。
今までジュチにだけ見えた幻想の幼竜は、名付けという通過儀礼を超えることでいま精霊獣として存在を確立した。名付けによって霊的な絆が強まり、ジュチという霊媒を通じて
本来精霊は
世界を恙なく回していくことが精霊本来の役割。現世における自然現象の裏には全て幽世における精霊の存在が関わる。逆に言えばその範囲を逸脱して現世へ干渉するためには巫術師から捧げられる祈り、幽世と現世を繋ぐ『道』が必要となるのだ。
精霊憑きが通常の巫術師と一線を画する尋常ならざる使い手ばかりなのは、霊媒である精霊憑きに精霊が直接
『
竜の唸り、王者の吟声。
幼竜の見た目にそぐわない深く、低い唸り声が漏れる。
驚くジュチを横目に幼竜はふわりと少年の肩からその小さな翼を
そして天を衝く火柱の全てが、幼竜に向かって収束した。
少年が片手で掴めるほどの大きさだった小さな火蜥蜴は、全ての炎を吸い込むとたちまちにしてふくれあがり、ガルダと比肩するほどの巨躯へと急速に成長を遂げる。
その姿は青く、蒼い炎で形作られた
近い将来、世界にその名を轟かせる精霊憑き、ジュチが従える稀代の精霊獣。その息吹を以て一軍を跡形もなく焼き払うと称される、天変地異に等しい精霊の獣。
精霊の炎を骨肉に、少年の勇気と飛竜の誇りを心の鋳型とした
『
てめえらよくもやってくれたな、と静かに憤怒の唸りを漏らすホムラ。
その怒りはジュチを脅かしたガルダへと向けられていた。
ジュチがホムラに心を許していたように、ホムラもまたジュチを気に入っていたのだ。その思いは《天樹の国》でフィーネと再会したジュチが一歩を踏み出し、無謀スレスレの勇気を見せた一幕を通して更に強くなった。
やはり自分達の見込みは間違っていなかったのだ、と。あの一幕が無ければ幾ら気に入っていようとこうして手を貸そうと意志を示すことは無かった。かつては最強の魔獣、飛竜に付き添う火精の一群であるホムラは相応に誇り高かった。
『
ホムラの顕現体から零れ落ちる炎の欠片、それすらガルダが脅威に感じるほどの熱量を秘める。
それでも最強格の《魔獣》としての誇り、食物連鎖の頂点に位置したが故の経験の薄さ―――即ち、絶対的な格上との戦闘経験の欠如がガルダから撤退という選択肢を奪った。
咆哮を上げて自らを奮い立たせ、同時に精霊へ干渉しようとするガルダの片割れ。
その咆哮が、唐突に途切れる。
『―――――――――――――――――』
最早一言も無く。
速やかに逝け、とホムラは太陽の表面温度を超える蒼い炎を手繰り、一瞬でガルダを焼き尽くした。
後には灰すら残らない、夢か幻かと思わず目を疑うような光景。
『
その現実を否定するように、もう一頭のガルダは咆哮した。
だがそのつがいも分かっていた。彼の片割れはもう、この世のどこにもいないのだ。そのまま跡形もなく焼き尽くされたつがいの復讐戦へ臨もうとする。
その憎悪と殺意に応じ、同じ末路をくれてやろうとホムラが力を振るおうとする―――。
「
その直前に
その呟きはホムラすら深い恐怖のどん底に叩き込む、言い知れぬ重圧が籠っていた。
「私って本当にダメな子だなぁ…」
フィーネの自罰的な発言が、場の雰囲気を陰惨なものへ一気に塗り替える。
いまやこの場の主人はフィーネであった。ただしその演目はそう、はるか西方でいう
「うん、私が間違ってた。何の罪もないのに殺すのは可哀そうだなんて考えてガルダに手加減するなんて。おかげでジュチくんを危険に晒して…。私がダメだったんだ。私が悪い子…、私が、悪い…」
ううん、と
「
何の前触れもなく、ガルダが凄まじい勢いで地上へ叩きつけられる。
自然落下ではありえない、まるで空から降ってきた見えない隕石に叩き落されたかのような急激な墜落。
その正体はもちろんフィーネの巫術だ。
星が万物を縛り付ける重力の楔、それを瞬間的に何百倍にも強めたのだ。ガルダ程の巨獣が突如自重の何十倍もの重さに襲われれば抗うことなど出来るはずもない。
「地に叩きつけられて死んでいけ、空の王者」
天を舞っていたスレンが地上に戻り、その背からフィーネが下りた。
地に伏し、縛り付けられたガルダと視線を合わせながら、それこそ万物を見下ろす絶対君主の如き冷徹な視線を向ける。
ガルダにはフィーネを睨みつける以上の抗う術はなく…。凄惨な事件現場と化した《精霊の山》の断崖に、ベキベキとガルダの骨という骨が折れ砕ける甲高い音だけが鳴り響く。
その巨体へ均等に駆けられる重圧が丁寧に丁寧に、肉片に至るまで押し潰し、後には原型の残らない肉塊だけが残るのだった。
ホムラすら一歩分の距離を取ったその光景。それを見ていち早く動いた者がいる。
「ホムラ! 俺をフィーネの元へ!」
ジュチである。
本気かと視線で問いかける精霊獣にいいからさっさと俺を運べと罵倒する。不承不承頷いたホムラは断崖へ張り付くジュチの下へ炎で出来た橋を渡す。エウェルの鞍から飛び降り、その橋の上を渡れば、そこは燃え盛る炎で形作られたその巨躯は少年の肉体を焼くことなく、暖かく迎え入れた。精霊が生み出す炎は物理現象ではなく、精霊の意志が優先される。精霊獣が認めた宿主を害さないようにするのはさして難しくない。
そのままホムラの背に乗り、フィーネのすぐ傍まで運んでもらう。ホムラが大地へ着地すると、もどかしげにその背から降りたジュチは迷わずにフィーネの元へと駆け寄った。
「フィーネ、無事か!?」
「ジュチくん…? ジュチくんだ。ああ、良かったぁ。ジュチくんが生きてるよぅ…」
と、声をかけられたフィーネの暗く淀んだ瞳に光が戻る。
そして近寄ったジュチに縋りつくようにしがみ付き、少年の暖かさを全身で感じる。そうしてようやく少年の生存を実感したのか、深い安堵の溜息を吐いた。
「おい、大丈夫なのか?」
「大丈夫って?」
「巫術師は精霊との付き合い方を間違えたら、物凄く心に影響があるんだろ。今のお前は明らかにおかしかったぞ?」
「あ、あぁー…。うん、大丈夫だよ! 全然平気! 平気ったら平気だから!」
まさか貴方が死にそうなのを見て思わずブチ切れてガルダを虐殺してしまいました、などと乙女の矜持に懸けて言えるはずがない。
既にガルダの虐殺現場を見せつけていたので手遅れと思わなくもないが、乙女的には大きな差があるのだ。多分。
「本当か?」
「うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとね。ジュチくん」
「そうか」
なおも心配そうに確認するジュチと視線を合わせてしっかりとお礼を言うフィーネ。
その瞳にしっかりと正気が宿っているのを見た少年はうんと頷き。
「なら良かった」
からり、とフィーネが一番好きな良く晴れた日のお日様のような笑顔を向けた。その笑顔を見たフィーネの胸はついドキドキと鼓動を速めてしまう。
(
強張った心が解きほぐれていくような感覚に思わず肩の力も緩み。先ほどと同じ言葉を、全く逆の感情を込めてフィーネは胸の内で呟いた。
「ジュチくんが無事で、本当に良かった…」
そうして少年の無事を確認するように、再び安堵のため息を漏らしたのだった。
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