透明

丸二日間、会社に缶詰になった帰り道。

机と向き合い続けて凝り固まった肩を回しつつ、わけも無く通りかかった店に目を向ける。

ショーウィンドウの中は多すぎるのではないかと思えるほどのイルミネーションに埋もれ、肝心の商品が殆ど見えない。


左右に身体を揺らしやっとの思いで見えたそれは、美しく透き通った硝子細工のようだった。

透明なショーウィンドウに透明な商品を入れても見えないに決まっている。この店の店主は、あまり頭が良くないのだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る