第16話
朋絵が麻薬取締法違反の容疑で
捕まったのは街に木枯らしが吹き始めた
十二月の中頃のことだった。
「友人に勧められました。まさか
親友がわたしを売り渡すような真似を
するとは想像だにしませんでした」
警察の事情聴取に対し、朋絵は概ね
このようなことを述べている。
「どうして断らなかった」
警察の間抜けな質問に朋絵は、
「もう笑うことに疲れたんです」
と、本音のような答えを返している。
「笑うことの罪が身に沁みていました。
可愛いということの罪が身に沁みて
いました。わたしは罰を受けなければ
ならなかったんです」
朋絵が唇を強く噛み締めた。
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