ボクのランドセルにお隣おねえさんのパンツが入っているんだけど…
あかべこ
1ー1
「はぁ~、お母さんまだ帰ってこないかなぁ・・・・・」
雨が降りそうな夕焼け空を見上げながら、ボクは家の玄関の前に座り込んでいる。
「まさか鍵を無くすなんて・・・・」
ボクが家にも入らず座り込んでいる理由は簡単だ。
共働きの両親が渡してくれた家の鍵をどこかに無くしてしまったからだ。
学校終わりにどこにも寄らずに帰ってきて、いつものようにランドセルから鍵を取り出そうとしたときに、無くしたことに気づいた。
どうすることもできない無力な小学四年生には、親の帰りを待ち続けることしかできない。
「あれ、ショウタくん?」
「ん?」
ボクは、見上げていた顔を下ろして可愛らしい声のする方を見ると、そこにはボクの心を奪った人ーーーーみゆきお姉さんが立っていた。
「家にも入らずどうしたの?」
みゆきお姉さんはポニーテールとセーラー服のスカートを揺らしながらトコトコと近づいて来て、ボクの顔を見つめる。
「っ!えっと、あの・・・・・・・・」
目を合わせるのが恥ずかしいボクは顔をそむけながら、事情を説明した。
「そうなんだ・・・・だったら!おばさんたちが帰ってくるまで家においでよ!」
突然のお誘いに、ボクは「えっ!」と驚きながらも、大好きなみゆきお姉さんといたいからすぐにうなずいた。
そして二人で二軒隣のみゆきお姉さんの家にも向かった。
○○○○○
「もずく、こんにちは」
みゆきお姉さんの部屋に入ったボクは、ベットで丸まっている黒猫のもずくにあいさつした。
ランドセルをベットの脇に置き、丸テーブルの前に正座をする。
「うぅ~、緊張するなぁ」
久しぶりに入ったみゆきお姉さんの部屋は、あい変わらず掃除か行き届いていて、邪魔をしない程度に花の香りがしている。
すると、ドアの向こうから「ショウタくん開けて~」と聞こえてきたのですぐにドアを開けると、ティーカップとクッキーが乗ったお皿を乗せたトレイを持ったみゆきお姉さんが立っていた。
「ありがとう」と言ってみゆきお姉さんが部屋に入りテーブルにトレイを置く。
「はい、紅茶」
目の前に紅茶の入ったティーカップを差し出される。
あまり紅茶は飲まないけど、もちろんみゆきお姉さんを悲しませないために、
「大好きです!」
と答える。
それから学校であったことや、最近見ているユーチューブのことなんかをたくさん話した。
30分ほど話した後、ボクはトイレに行こうと立ち上がる。
するとみゆきお姉さんは無くなった紅茶のおかわりを次にいくため、二人で部屋を出る。
そしてそれぞれの用事を済ました後に部屋に戻り、また楽しいおしゃべりを再開した。
ーーーーそれからしばらくしてお母さんが迎えに来たので、ボクは後ろ髪を引かれながらも帰宅することにした。
みゆきお姉さんは「また来てね」と優しく微笑んでくれた。
○○○○○
「ふぁ~あ、そろそろ寝ようかなぁ」
家に帰ってきて、晩御飯にハンバーグを食べて、お風呂に入って自分の部屋でゴロゴロしてたボクは、眠くなってきたので明日の学校の準備をしようと思い、ランドセルの中の教科書を取り出した。
ーーーーすると、パンツも一緒に出てきた。
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