ホラーのオチだけ置いていく

木行 三彦 消息不明

【Bさん（木村三彦の友人）より】

Bさん宅で聞き込みを行う。

あー、三彦ですか。

いなくなってから、もう3年も経つんですね。

いや、生きてるんじゃないですかね、

とても死んだとは思えない、殺したって死なないやつですよ。

消える前になんか言ってたかって。

そうですね、次は俺だ。って言ってましたね。

何の次がアイツだったのかはよくわかりませんけど。

トラブルは特に無かったですね。

気は優しくて力持ち、その言葉がアイツをそのまま表してますよ。

いなくなる前ですか。

いい被写体を見つけたって喜んでましたよ、あいつ写真が趣味ですからね。

俺も披露宴で写真を撮ってもらいましたよ。

よく撮れてるでしょう。

Bさん、数枚の写真を提示する。

1枚目

ウエディングドレスを着たマネキンとタキシードのBさんが並んでいる。

Bさんは笑顔を浮かべている。

2枚目

証明写真のようなBさんのバストアップ、Bさんはタキシードを着ている。

Bさんは無表情。

3枚目

ウエディングドレスを着た女性とタキシードのBさん。

笑顔でケーキ入刀を行っている。

4枚目

ウエディングドレスを着た女性、タキシードのBさん。

二人の両親と思われる礼服を着た老年の男女四人。木村三彦。

五人とも無表情。

Bさんを刺激する可能性はあったが、写真の内容について尋ねる。

一枚目の写真ですか、嫁さん、なかなか可愛いでしょう。

二枚目は、なんだこりゃ、こいつこんなに写真撮るの下手だったっけ？

いや、待て、誰だこれ。

おい、ちょっと来てくれ。なんだこのふざけた写真は。

以降、Bさんが部屋の隅に置かれていたマネキンに話しかけ始める。

これ以上の会話は不可能であると思われたので撤退した。

【葬儀】

木村三彦の遺体が発見されたとの連絡をBさんから受けて、葬儀に参列する。

遺影にはマネキンが写っている。

棺の中にはマネキンがバラバラにされて入っている。

参列者にマネキンがいないことを確認し、退出する。

現在も木村三彦の遺体は発見されていない。

【木村一太郎（木村三彦の父親）の通話内容】

調査した覚えなんてないのに、この紙が家の中に入っていたんです。