異世界でナイチンゲールは唄う

黒瀬アリス

森で目覚めて

プロローグ1

私は神崎うるる。日本のとある総合病院の孫娘だ


彼女に診せてもらえば彼女に治せない病気なんてないと誰もからそう言われた天才医師だ

いやそうであったはずだった



過去形なのは私が目覚めたのが見知らぬ森の中だったからだ






「あ…れ…私…寝て…やばっ!?次のオペの時…間…?あれここどこ?」



私は見知らぬ森の中で目を覚ました




「…おかしいな…昨夜はお酒何て飲んでないのに」


そもそもここはどこなんだろう



(昨日はオペが終わってタクシー拾って…拾って…?昨日はタクシーに乗ったかしら?)



「…どうして…直前の記憶だけ…思い出せない?」



タクシーの中で寝てしまったのなら仕方ないけれどタクシーではまだ眠くなかったはずだ




「…ここ…本当に日本…?」




「…外国にもこんな草あったかな…?」



仮に外国だとしても私が全く知らない野草が生えているのはどう考えてもおかしい


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