第13話 村に到着
村に到着
「やっと着いたべー。なんでこんな時間が掛かるんだべ?」
休憩して、息の整ったとこで、やっぱり突っ込まれたよ。少し行くと、もう村だけど、襲われることも考えて、木陰で休憩していた。
「ごめん、私体力無くて。山登りとか、しんどすぎるよ。疲れたよー」
「そうなのかー。分かったべ、では村に入るべさ」
「うい」
「はい」
「はーい」
「うん」
村に向かって歩き出したけど、そういえば、
「どうするのかな? 誰に村に戻るように話せばいいかな?」
「うーん、そうだべな。あ、佐久間に相談するのがよさそうだべ。あやつは、皆に慕われているからなー。すぐ皆も話を聞くべ」」
「成程。で、その人はどこに居るの?」
「そうさなー、いつも狩りに行っているから、家に帰ってくるのは、夜遅くだべ」
「じゃあその間はどうするのかな? もう夕方だから大丈夫かもしれないけど」
「とりあえず、おらの家に行くべ」
「では、お邪魔しましょう。珠樹様と、千代さんもそれでいいですか?」
「うん、私はいいよ」
「拙者は野宿するでござる。少し気になることがあるので」
「分かったよ。じゃあ行こう」
しかし、奥羽の家(屋根と椅子と、寝床があるだけ)で、どれだけ待っても、佐久間は村に帰ってくる気配がなかった。どうして?
夢の中で
「お、起きたか? いや寝たのか?」
目が覚めるとやっぱり、銀の壁だらけの謎空間。姿の見えない声に、
「あ、私寝たんだね。で、今日は何の修行かな?」
「今日は、魔術の修行だ」
「それはたしかにしたいかも」
今日? 昨日? の戦いでうまく使えなかったし、頑張りたいな。
「ん? いつも面倒くさがっいるお前にしては珍しいな。どうした? 変な物拾い食いしたか?」
「うん……。私、自分の魔術を使った時に、珠樹にサポートしてもらったんだけど、倍率がすごくて、それに、自分の魔術であれだけ出せたら、皆の役にも立てるのかなって思って」
「なんだ、変なものは食べてないな、うんと言ったくせに。やる気を出せたならいいことだ、やるぞ」
「うん!」
「まずは、火の魔術を使ってみろ」
「OK」
小さな火の玉を作ってみる。それを巨大化させようとしたけど、
「うぐぐぐっ、これが……限界!」
半径1cmぐらいの物しかできないよ。
「あれ、なんで、こんな小さいのしかできなかったっけ? まえ大きくなったときは、それなりの火の玉ができたのに!」
「ああ、そうだな。まず、体の大きさに比例して、大きい火の玉ができているのだろう。だが、それでは実践やちょっとしたときに魔術を使いづらいだろう? なら、指先から、凄い勢いの炎が出るのをイメージするんだ。次に、指に力を入れて、魔力をためる。最後にその魔力を燃やすイメージだな」
む、難しそう。けど、
「やってみるか!」
こうして、魔術の修行を始めた。
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