第13話 守る理由
守る理由
港に着くと、皐月と、皐文の姿はなく、沖合に船が止まっているのが見えるだけだった。
『聞こえるかい? 僕だよ。皐月だよ。皐文が人を探しに行ったんだ、港にいるとマンマルちゃんに攻撃されかねないから沖に出たんだけど、今救援要請が来てね。まず、皐文からの伝言から話すよ。『一時間半後には此処にいるように』との事だよ。で、ここからは僕が受けた救援依頼なんだけど、雛って子が、そこから見える高校で敵に囲まれているらしいんだ。救援に行ってあげてくれるかな』
『なんで私たちが?』
『それが、僕にお願いが来たんだ、理由は前に雛と互角に戦えたからなんだけど。互角に戦えたのも、平等な戦いに持ち込めたのが大きいんだ。ただ、今回は僕が敵の邪魔していて、出せる兵装は全部出して、対空、海戦に使っているから、戦力不足。僕じゃできないんだ』
『けど私たちじゃ……それに私にはその子を、この町を守る理由はないよ』
『君ならできるよ。それに、守る理由なんてなくてもいいんだよ』
「でも」
思わずつぶやく。私は町を守りたいわけではない。ただ、皐文に言われたからやっているだけだ。それに、知らない人を助けるなんて私にできるのだろうか? 私はその言葉に杉谷さんは、
「私じゃ、私じゃダメでしょうか。私のこの町を救いたい。そう思っていただけませんか? 私たちはまだ出会ったばかりですが、それでも、あなたの理由になれたらと思いますの!」
「それに、人を助けるのに理由なんていらないでしょ。困っているから助けるでいいのよ」
真井、そうはいっても、誰かを助けるってことは、助けられない人がいるってことだとわかっているのかな? この場合敵に当たる子たち。でも敵を助けたいとは思わないけど、でも、自分たちが助ける側なんておかしいと思ってしまう。この場をコントロールする側なんて……。
「やっぱり私ではダメですの。それでも私は、アミ。貴女にこの町を守ってもらいたいですわ!」
なんで私を頼ってくれるの? なんで私を評価してくれているの? なんで私に責任を持たせようとするの? でも、でもさ。なんで頼られるって、こんなに嬉しいの!
「分かったよ。私やるよ! 私は、まだ戦いなれてないけど、まだ強くないけど。でも貴女の町を守りたい。だから戦う! で、その子はどんな姿なんだい」
「ありがとう、雛は、赤い髪で、ツインテール、多分今はメカメカしい服装だと思うよ」
「OK、行ってくる」
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