『桜花の剣』

キャッチコピー

月下に舞う桜の剣士を、俺は一生忘れない


ジャンル

和風ファンタジー


題名

桜花の剣


――◆――


第1話 戦場に花が散る


 雲かかる満月の夜に、合戦の刀戟が響く。

 東西に別れた皇子の確執は、樹ノ国をふたつに引き裂いた。


 母上は俺を連れ戦場に出る。

 自分をよく見るようにと託けて。


 戦場に舞う母上は、とても綺麗だった。

 一太刀振るう度、血の代わりに桜の花弁が散る。


 斬った者を花と散らす妖刀――【桜花の剣】


 薄桜色の長髪をなびかせて剣を凪ぐ母上は、

 月に舞う天女のようで。


 一生忘れられない。忘れてはならない。


 やがて刀戟が静まる頃、母上の命も散った。


 音亡き戦場に突き立つ一振の刀。

 手に取り、天を仰ぐ。


「天なる双皇よ、花散る世が見たいのならば」


 剣を振るい、月下に花が舞う。


「見せてやろう。この命、花と散るまで」


――【桜花の剣】――



――◆――


シリアス異能もの和風ファンタジー。『灰髪のアーシャ』も基本シリアスだっただけに、もう少し軽い要素(日常とか恋愛要素)も入れたい所。単に月下に花散る桜花の剣の設定がカッコイイ!と思いついたもの。次回作に活かしたい。

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