第292話 エイルの強化

私に尽くしてくれているロッテマリーとルルーシェルの2人。

そんな2人のレベル上げのお手伝いを、どうにかしたいと思っていたのだ。

丁度、エイルとヴァレンティーナのレベルも上げたいしね。



「ーーーっっ、えっ、私達がディア様とご一緒に迷宮に行けるのですか!??」

「よ、よろしいのですか、ディア様!?」



私の方へと身を乗り出す2人。

すごい食いつき様だ。



「う、うん、2人と一緒にエイルとヴァレンティーナのレベルも上げたいしね。どうかな?」

「あぁ、何と嬉しい事でしょう!!」

「ディア様に、直接私達の勇姿を見て頂けるなんて、感激です!!」



歓喜に涙ぐむ2人にたじろぐ。

・・・そこまで、喜ぶ事なんだろうか?

とても疑問である。



「ルル、こうしてはいられません!!」

「はい、お嬢様、ディア様と迷宮に行く前に鍛錬し直さねば!!」



張り切る2人。

今にもこの場から飛び出して、そのまま鍛錬に行きそうな勢いである。



「ちょ、落ち着きなさい、2人とも!」



咄嗟に2人の腕を掴む。

この手を離したらいけないと頭の中で警鐘がなる。

放置したら、絶対に危険だ。



「2人は鍛錬しなくても大丈夫だから。だから落ち着いて!」

「ですが、っっ、」

「このままでは、ディア様に勇姿を見ていただけません!」



悲しげな顔になる2人。



「そんなに慌てなくても、私と一緒に強くなろう?」

「「!!?」」



衝撃を受けたような表情を2人が浮かべる。



「・・一緒に、」

「ディア様と・・、」

「ロッテマリー?ルルーシェル?」



どうしたんだ?

怪訝に私は眉根を寄せる。



「ディア様は、なんと慈悲深い方なのでしょう!」

「この様に私達の事を深く考えてくださっていたなんて!!」



瞳を潤ませ、うっとりと頬を染める2人。

恍惚とした表情である。

何がそんなにも2人の琴線に触れたの言うのだろうか?

謎である。



「・・・うん、もう、それで良いよ。落ち着いてくれたみたいだし。」



引き攣る私の頬。

2人の事を思っているのは本当だしね。

何も嘘は言っていないもの。



「今はエイルの強化がまだできていないから、迷宮攻略を始めるのは明後日からね?」

「「はい!!」」



元気良く、笑顔で2人は頷く。

不安だ。



「・・・明後日は、2人の事を良く見ていよう。」



決意を新たにする。

お披露目会もいい時間になったのでお開きにし、ロッテマリーとルルーシェルの2人には今日はこのまま鍛錬などせず休む様に強く釘を刺し、エイルの強化の為に私室へ引っ込む事にする。

強く命令しないと、2人は隠れて鍛錬しそうだしね。



「さて、エイル、強化をしようか?」

「はい、ディア様、よろしくお願いします。」



頭を下げるエイル。

さっそく、許可を得てエイルのステータスを見させてもらう。



名前:エイル

LV1

種族:ヴァルキリー

隷属:ディアレンシア・ソウル

HP:1580/1580

MP:1030/1030



現在のエイルのステータスこれだ。

ほう、HPがとても高いのは、エイルの種族故か。

防御、攻撃向きなかんじだね。



「ふむ、エイルに攻撃や防御系のスキルを付与すれば、とても頼もしい戦力になりそう。」

「恐縮です。」



嬉しそうに、エイルが微笑む。

キリッとした美人さんが微笑むと目に保養になりますなぁ。

眼福です。



「うん、エイルに付与するスキルを考えていきますか!」



俄然やる気が出てきた気がする。

さっさく、エイルに付与するスキルの一覧を考えてみる。

その一覧がこれ。



「気配遮断、探知、状態異常耐性、鑑定、経験値倍増、マップ、攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、体力回復上昇、身体強化、思考加速、気配遮断、転移、かな?」



どうだろう?



「あとは魔法系だけど、風魔法と重力魔法かな?翼があって空も飛べるエイルに良いかと思うんだけど。」



それに付随して、詠唱破棄も付与したい。

私が今思い付く与えたいスキル一覧をエイルに伝える。



「はい、それで構いません。」



との事。

さっそくエイルへスキル付与してしまおう。



名前:エイル

LV1

種族:ヴァルキリー

隷属:ディアレンシア・ソウル

HP:1580/1580

MP:1030/1030

スキル

気配察知、危険察知、威嚇、結界術、気配遮断、探知、状態異常耐性、鑑定、経験値倍増、マップ、攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、体力回復上昇、身体強化、思考加速、気配遮断、転移、風魔法、重力魔法、詠唱破棄



スキル付与されたエイルのステータスがこれ。

満足の出来である。



「うーん、武器は何が良いかな?」



次に私が考えるのは、エイルに持たせる武器の事。

盾は持たせるとして。



「エイル、何か武器の要望はある?」



要望をエイルに聞く。

本人が望む武器の方がいいものね。

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