第17話 ギルドの説明

そのケモノ耳は、猫の獣人なのかな?

とても気になってしまうよ。



「お客様?」

「あっ、またボーとしてすみません。今日は冒険者登録がしたいんですが、可能ですか?」



いけない、いけない。

あまりの可愛らしさにケモノ耳に意識を持っていかれ、ここに来た本来の目的を忘れる所だったよ。

恐ろしい、ケモノ耳マジック。

気を引き締めねば。



「はい、冒険者登録は可能ですよ。新規にギルドカードを発行する為には、銀貨5枚が必要ですが、よろしいでしょうか?」

「はい。」

「では、こちらの紙に書ける所だけで良いのでご記入下さい。お客様、代筆は必要ですか?」

「いえ、代筆は大丈夫です。」



深呼吸をして、どきどきする胸を諌めながら紙へ記入していった。

名前、年齢、得意なもの。

記入できる所は全て埋めていく。



「ーーー出来ました。」



記入済みの紙を受け付けのお姉さんへ渡す。

私が記入した紙を確認し、受け付けのお姉さんは頷く。



「ーーーーはい、ご記入は完了ですね。では、ギルドカードを発行いたしますので、銀貨5枚いただきます。」

「分かりました。」



日本円で、5000円、と。

受け付けのお姉さんにポシェットーーーーと、見せかけて、空間収納の中から銀貨5枚を支払う。



「確かに、銀貨5枚いただきます。冒険者ギルドの説明させていただきますね?」

「お願いします。」

「長くなりますが、冒険者ギルドにはランクがS、A、B、C、D、E、Fの7ランクあります。Sランクが最高で、Fランクが最低になります。お客様は、Fランクからのスタートになりますね。」



では、今の私はFランクか。

まぁ、それは仕方がない事よね。



「あの、ランクを上げるには、どうすれば良いですか?」

「ギルドランクを上げるには、お客様が依頼を受け、依頼を達成しなくてはいけません。その達成でギルドポイントが貯まっていきます。」

「もし、依頼を達成が出来なかった場合は、どうなりますか?」

「依頼が達成が出来ない場合、違約金が発生します。そこはご注意下さい。」



ふむ、違約金。

依頼を失敗する気は全く無いが、何があるか分からないのが世の常。

注意は必要だね。



「また、冒険者同士の争いは、自己責任となっており、ギルドは一切かかわりません。それは、ご承知下さい。」

「・・・もし、相手がこちらを殺そうとした場合は、反撃しても良いんですか?」

「もちろんです。その場合は、犯罪とはなりません。ただし、それが正当な反撃であり、お客様の非が無い場合です。」



なるほど、防衛は可能、と。

バカな人はどこにでもいるものだし、これも注意が必要だね。



「もし依頼を受ける場合は、あちらのボードに貼ってある紙を受け付けにお持ち下さい。ギルド職員が依頼の受注を承ります。」

「分かりました。」

「依頼を受け、色々な経験を積んだ後は、ダンジョンに挑まれる事をおすすめいたします。」



おおう、ダンジョン!

きた~、ファンタジーには必ずある定番のもの。

剣と魔法の国と言えば、ダンジョン。

まさにロマンである。



「あの、ダンジョンは、ルーベルン国にもあるんですか?」

「はい、もちろん、ございます。ルーベルン国にあるダンジョンは、全45階層になりますね。攻略済みの階層の地図もギルドで販売しておりますので、ご利用でしたら購入をお考えください。」

「分かりました!」



やった!!

情報を集めて、色々と準備が出来たらダンジョンへ挑もう。

楽しみが増えた。



「ここまででギルドの説明は終わりとなります。何か分からなかった事、質問などはありますか?」

「・・・う~ん、今は思いつかないので、大丈夫です。」

「そうですか。もし、何か質問などがありましたら、いつでも受け付けにお越し下さい。」

「はい、ありがとうございます。」



ずっと丁寧にギルドなどについて説明してくれたお姉さん。

人当たりも良くて、対応も問題なく優しい受け付けのお姉さんで良かったよ。



「では、これからギルドカードの発行を行います。準備いたしますので少々、お待ちください。」



受け付けのお姉さんは、私が記入した紙をカウンターにあった丸い玉に翳す。

すると、その玉の中に翳した紙が吸い込まれていく。

おおう、ファンタジーだね!



「ーーーーお待たせ致しました。お客様の情報の読み取りの準備が整いましたので、こちらのオーブに手を置いて下さい。お客様のギルドカードを発行いたしますので。」

「分かりました。」



言われた通り、オーブの上に手を置く。

次の瞬間、驚く事にオーブの中から四角いカードが出てきた。

オーブの中から出てきた四角いカードに驚く。



「はい、こちらがお客様の情報を登録いたしましたギルドカードとなります。こちらのギルドカードは無くさない様に、ご自分で大切に保管くださいませ。」



どうやら、これがギルドカードらしい。

オーブの中から出てきたギルドカードを手に取り、私に手渡してくれる受付のお姉さん。



「分かりました、ありがとうございます。」



ギルドカードを受け取る。



「・・・あれ?なんか、ギルドカードの色が変わった?」



受け付けのお姉さんが持っていた時は、ギルドカードは赤色だったのに、私が手にしたら金色になった。

・・なぜ?

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