第2章〜奴隷編〜

第6話 名前とスキル作成

柔らかく暖かな風が、そっと私の頬を優しく撫でる感触がする。



「ん、」



その私の頬を優しく撫でる風に深く沈んでいた意識が浮上していき、閉じていた瞳をそっと開く。

そして、私の目に飛び込んできた景色は、一面の緑の木々。

周囲を見渡せば、一面の森。



「・・・ほ、本当、に、異世界転移したんだ、私。」



ゆるゆると自分の頬が緩む。

リデルは本当に私の事を異世界へ転移させてくれたらしい。



「よしっ、まずは定番のステータスの確認からね!えっ、と、ステータスオープン、とか念じれば良いのかな?」



気合を入れ直して、自分のステータスを確認する為、頭の中で強く念じる。

すると、目の前に現れるステータス画面。




名前:???

LV1

性別:女

年齢:16

種族:人族

称号:世界を渡りし者、神に見守られし者

HP:120/120

MP:80/80

スキル




ユニークスキル

創造魔法




「おおっ、!!」



ちゃんと、ゲームみたいに自分のステータス画面が出た。

リデルが言っていた通り、自分が異世界転移した事が実感が出来、本当に感動である。

えっと、何々。



「あれ、名前の所がはてなマークで空欄だ。これって転移したんだから、名前は前のではなく新しく自分で決めて良いって事なのかな?」



表示されている年齢は元のままだ。

名前はせっかくだから、心機一転、新しく自分で考えてみようかな?

ーーーーステータスにある神に見守られし者って称号も気になるが、まぁ、それは後回しで良いだろう。

今は頭の片隅に置いておく。



「種族は普通に人族になってる。HPとMPがあるから、ちゃんとこの世界で私も念願の魔法が使えそうね!」



魔法。

なんて素敵な響きだろうか。



「でも、肝心のスキルが1つもないわね。」



これでは、魔法が使えない。

由々しき事態。



「自分の身の安全の為にも、早急にスキルの取得をしなくちゃ。」



ここは、森の中。

どんなモンスターに襲われるか分からないんだから。



「まずは、この世界での自分の名前を決めるのが優先。その次は、自衛の為にもスキルの取得って所ね。」



移動はその後。

今はこの世界で生き抜く為に必要な事をしていこう。



「う~ん、名前、名前ねぇ、」



・・・この世界での新しい名前は、何が良いだろうか?

うぅっ、悩む。

前の自分の名前を少し捩る?

それともーー。



「・・・“ディア”ーーー。」



頭の中に思い浮かんだ、1つの言葉。

ーー愛おしい。

今世で生を、自分の、命を慈しみたい。

そんな思いを込めて。



「うん、ディア。愛おしい魂で、ディア、ディアレンシア・ソウル!」



なかなか、良い名前なんじゃない?

自画自賛。

名前を呟いた瞬間、カチリと、自分の中で何がかはまる気がした。



「・・えっと、これで良いのかな?」



首を傾げる。



「えっと、自分のステータスの確認、と。」



ステータス画面を呼び出す。





名前:ディアレンシア・ソウル

LV1

性別:女

年齢:16

種族:人族

称号:世界を渡りし者、神に見守られし者

HP:120/120

MP:80/80

スキル




ユニークスキル

創造魔法




「あっ、ちゃんと名前がついてる!」



どうやら、成功のようだ。



「ふふ、今日から私は、ディアレンシア・ソウルよ。」



ーーーー無事、名前が決まりました。

無事に新しい名前も決まり、次にやる事と言えばーーーー。



「うん、スキル作成ね。」



お待ちかねの、スキル作成である。

いつモンスターが来るか分からないし、それに、リデルの指輪の事もある訳だし、さくさくと進めていきますか。



「まずは、この世界の言葉、かな?誰とも言葉が通じないと何かと不便だし。」



話せないと、情報が集められない。

そうなると、ここでの私の新しい生活を送るのが破綻してしまう。



「うん、まずはこの世界の言葉のスキルの習得ね。」



最優先だ。

そうと決まれば。



「えっと、スキル、言語理解。」



呟けばーーーー



『スキル『言語理解』を新たに作成しました。』



と、頭の中に流れるアナウンスの声。

おおっ、これまた定番ね。



「よし、自分のステータスを確認、と。」



すかさず、ステータスの確認へ。

どれどれ。





名前:ディアレンシア・ソウル

LV1

性別:女

年齢:16

種族:人族

称号:世界を渡りし者、神に見守られし者

HP:120/120

MP:80/80

スキル

言語理解



ユニークスキル

創造魔法




「っっ、やった、ちゃんと新しいスキルがステータスに増えてる。」



創造魔法、間違いなく使えてるね。

じゃあ、この調子でどんどん必要なスキルを作っていきますか。



「次に必要なスキルは、空間収納、鑑定、経験値倍増。」



夢中でスキルを作っていく。



『スキル『空間収納』を作成しました。』

『スキル『鑑定』を作成しました。』

『スキル『経験値倍増』を作成しました。』



鳴り響く、アナウンスの声。



「そして、自分のステータス画面の表示、と。」



確認も怠らない。





名前:ディアレンシア・ソウル

LV1

性別:女

年齢:16

種族:人族

称号:世界を渡りし者、神に見守られし者

HP:120/120

MP:80/80

スキル

言語理解、空間収納、鑑定、経験値倍増



ユニークスキル

創造魔法




ちゃんとスキルも増えている。



「うん、これもちゃんと作れてるね。創造魔法さん、優秀。」



問題ない模様。

ユニークスキルの創造魔法があれば、どんな魔法も作れそうだ。

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