一人の暗殺者

🥭マンゴー‼︎

第1話

「早く起きて飯にしろ!」

親父が俺の髪を掴んで言う。

「分かったからやめてください!」

わざわざ敬語にするのは面倒くさい。

だが、敬語で言わないと、

「親に対して口答えするな!」

と、言われて殴られる。

殴られるだけじゃない。

蹴られたりもする。

それが10年間、毎日続いた。

だからなのか、人の波長のようなものが見えるようになった。

波長はいつも揺れている。

気分がいいとゆっくり揺れて、気分が悪いと激しく揺れる。

もうすぐ死ぬかもと思った。

だって、お化けとかが見えるようになる人は死期が近い人らしいから。

俺は死んだっていい。

逆にこんな生活から解放してほしい。

「あ…朝ごはん。用意できました。」

(怖い…怖い…。)

「おぅ…」

「いただきます」

父は無言で食べ始めた。

俺が食べ終わったらもう父はいなかった。

仕事へ行ったんだ。

(学校行かなきゃ…)

さっさと用意をして家を出る。

(鍵はポストに入れなくちゃ)

帰りは父の方が早いときがある。

一度入れ忘れて殴られた。

正直言って学校にも行きたくない。

[バタバタバタ]

原因はこいつら、

「遅かったじゃないの零」

「じゃぁ、今日も荷物よろしくねぇ。」

正直断りたい。

だが断ると面倒な事になる。

断ると俺の物を取って隠したり壊したり捨てたりする。

一度嫌になって先生に相談してみた。

だが全然相手にしてくれなかった。

だから直接聞く事にした。

「なんで俺に絡んでくる?」

「はぁ?」

「だからなんで俺に関わってくるんだよ…」

「そんなの決まってるじゃない!」

「あんたが気に食わないからよ」

「はぁ⁈」

訳が分からなかった。

「あんたの目といい髪といい…ムカつくのよ」

どうやら俺の格好が気に食わないらしい。

「私たちの目や髪は黒とか茶色で地味なのに」

「あんたの目は赤と白のオッドアイ」

「あんたの髪は銀色」

「私より目立つとか許せない!」

まさかの嫉妬⁈

生まれつきこうなんだから仕方なくないか⁈

「もしかして染めたの?」

「はぁ⁈そんな訳ないじゃん」

「目だってコンタクトレンズ付けてるんじゃないの?」

「生まれつきこうなんだから仕方ないだろ!」

「ぅっ…」

どうだ?まだ何か言ってくるか?

「じゃぁな」

学校に行かなければ。遅れてしまう。

「…じゃぁなんで…男のフリなんかしてる訳⁈」

「‼︎」

気づかれていたのか…

まずいな…

「気づいていないと思ってた?」

「…なんでわかった」

「俺が女だと」

「だってあなた、胸がちょっと出てるもん」

「ちっ…」

「胸を隠すようにしておいたらよかったかもね(♪)」

「隠してたつもりだったんだけどな…」

呟いてしまった。

気づいた時にはもう遅かった。

「はぁ⁈どうやって隠してるのか言ってみなさいよ!」

キレてる…

説明めんどうだな。

「…サラシ」

「はぁ?証拠として見せてみなさいよ!」

「いや、ここ外だよ?」

「いいから早くしなさいよ」

「だから嫌だって言ってんじゃん!」

流石にムカつく。

「チっ…2人とも!」

「ハイはぁい〜」

「いいよぉ〜」

(逃げないとやばい‼︎)



1話を読んでくださりありがとうございました。

これからも頑張って書いていきます!

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