僕たちとあれらと元素表

あんこ

第一章 僕と肉まんと二酸化炭素

一章 僕と肉まんと二酸化炭素


学校が終わった

今日は一緒に帰る友達が帰れないと言うので1人で帰ることにする。

いつもと同じようにコンビニに寄る

ただ今日は一緒に駄弁る相手もいないので肉まんだけ買ってイートインスペースで食べる。

ホカホカのふわふわで美味しい

スマホでスマホゲームをしながら時間を潰す


俺って何してるんだろうな…

「帰ろ。」

そうつぶやきコンビニを出る

自分はクラス委員なので帰ってからもやることがある

はぁ…めんどくさい…

やりたくもないのに押し付けられでも誰からも褒められない。

「そんなもんだクラス委員なんて。」

そう自分に言い聞かせながら家の直線を歩く

隣のおじさんが挨拶してきてるので会釈だけ返しておく。

「なんのための挨拶なんだろうな。」

これを返さなかったからと言って別に誰から怒られる訳でもない。誰かが褒めてくれる訳でもない。

いつから見返りを求めるようになったんだろう

昔は挨拶されたら元気よく返してたはずだ…いや、どうだったかな?

そんなことを考えながら玄関を通る

「ただいまー」

帰ってはこない。

両親はどちらとも仕事中だ

家に挨拶してるんだと誰かから教わった…誰だっけな?

そのまま自分の部屋に入り勢いよく布団に飛び込む。

一生このまましていたい

そうも行かず作業に取り掛かる

発表用の原稿を書く

女子がもう1人いるが彼女は忙しいらしい(カラオケに行くんだとか…)こうして押し付けられた仕事を黙々とやるうちにスマホに手が伸びる。ネット依存症なんてあるけどそれはだいたいの人がそうなんじゃないかって思ってる

2分の1ほど終わったところで満足して明日やることにする。

これだって誰かに感謝される訳でもないのにな

深く息を吸い込む

酸素と二酸化炭素が循環するのを感じる

酸素が入れば二酸化炭素を吐き出す


それが当たり前な自然の節理ってやつだ


俺たちにも適応されたら良いのにな


ちゃんといいことをしたらその分褒め称えられる


そんな世の中になって欲しい


そんなことを思いながら僕はまどろみ出す

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