サキュバス、この戦争を終わらせに来ました15

「そうか。ならばぶっ飛ばされんように、先手必勝といこうか」


「な……!?」



 また間合いを一瞬で! だが……!



「避けたか。目が慣れたか? 先ほどまでとは動きが違うぞ? だが、これならどうかな!」



 ! 早い! しかしこれも……!



「……!」


「これも避けたか! ならば連続ではどうだ!?」


 

 これも……いける! おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


 回避! 回避! 回避! 回避! 回避!  二撃! 三撃! 四撃! 五撃! 全弾回避被弾なし! 




「この動きは……ムエタイか!?」


「そうさ! しかもただのムエタイじゃねぇ! アマチュア最強と呼ばれた男のアウェイと……テッカンコークワァー(右上段蹴り)だ!」


「!? ちぃ!」



 退いたな! 親父! 退いたという事は弱気になったという事だぞ! 



「破ぁ!!」


「! 鬼術か! 小癪な!」



 鬼の捕縛術だ! 如何にお前といえども一瞬動きが止まるだろう! そして!



「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


「グッ!」


 

 裏格闘技で戦う男のタックルだ! テイクダウンは取れないが掴んだぞ! そこからぁ! ぶん投げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!



「何をする気だ!」


「さっきから言ってんだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! テメェをぶっ飛ばすんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」



 スカイハイ! そして喰らえ! ジャンプしてからのぉ! ボディキャッチィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ! そのまま足で首をロックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! 急降下ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 投げと極め締めを合わせた究極のオリジナルフェイバリットォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ! デス&ボムだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!



「これで終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 頸椎ぶち折れて死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」




 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




 着弾! 激突! タイルカーペットが敷かれた床は鉄コン! 自由落下のダメージが逃げぬようしっかり固めて落としたんだ! 無事なはずがねぇ! これで勝ち……



「おらぁ!」


「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」



 拘束が解かれ……!



「がッ……!」


「中々面白い技だった。だが、所詮はプロレス。実戦向きじゃねぇなぁ」



 立ち……え? 立って……あれ……呼きゅ……でき……



「そら!」


「ぎ……!」


「まだまだ! 今度も連続でいくぞ! さっきみたいに避けてみろ!」


「が! ぐ! げ!」



 貫手……血……そうか……俺は滅多刺しにあっているのか……最初の一撃は首をやられたんだな……なるほどよく生きてたな……だが……これでは……



「おらおらおらおら! まだ倒れるなよ!? 受けながらが回復しろ! 気を緩めるな! 耐えろ耐えろ! はははははははははははははははははははははははははははははははははははははは! 死ぬなよ!? ここからが面白いんだからな!」



 だ、駄目だ……回復が間に合わん……血が作られねぇ……力が抜けていく……畜生親父の野郎……自分が技を喰らたからって八つ当たりみたいな事しやがって大人げねぇ……さては本当に殺す気だな……ワンチャン手加減すると思っていたが……目論見が甘かったな……






 ピカ太さ!。


 ……


 ピカ太さん!


 ……


 ピカ太さん! 


 ! なんだビックリしたな。課長か。


 なんだじゃないですよ! 死にそうじゃないですか! 大丈夫ですか!?


 大丈夫じゃない。多分俺はここで死ぬ。


 確かにこの状況はまずいですがもう少しだけ頑張ってみてください! あとほんのちょっとだけ!


 無理だし無駄だよ。もう駄目だ。やはり地力が違う。勝てるわけねぇよあんな化物に。


 ピカ太さん! 私を信じてください! 必ず逆転してみせますから!


 ……


 本当ですから! 本当だから……諦めないで……


 課長……


 私……ピカ太さんに死んでほしくない……こんなところで……こんな風に……


 ……


 お願いですピカ太さん! 本当にあと少しなんです! だから……それまで……


 ……


 お願い……戦ってぇ……


 ……課長にそこまで言われちゃあな。


 ピカ太さん……!


 だけどもって一分だ。それまでに……頼むぞ?


 ……はい……はい! 任せてください!











 ……意識が遠い……眠りたい……だが、約束しちまったからな……あと一分……気合いで生きるぞ……!

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