サキュバス、アルパチーノとロバートデニーロの不仲説を聞いて思わずオレンジを口に含みました5
「他、お聞きになりたい事はございませんか?」
「そうですね……」
D.日本国憲法において、すべての国民は〇の下に平等であって人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。〇に入る言葉を答えよ。
E.聞きたい事なんてないぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! ぶっ殺してやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
……D
「日本国憲法において、すべての国民は〇の下に平等であって人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。〇に入る言葉を答えよ」
「……はい?」
「ですから、日本国憲法において、すべての国民は〇の下に平等であって人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。〇に入る言葉を答えよ」
「……意味が分からないのですけれど」
「そうですよね。公的な文章っていちいち回りくどくてすぐに呑み込めないですよね。もっと分かりやすく書いてくれればいいのにと思いますよ。いやぁこの前も仕事で……」
「そうではなく、どうして急にそんな問題をお出しになったのですかという疑問です」
「……」
……言われてみればなんでだろうな。なんか深夜テンションで「突然支離滅裂で全然寒関係ない話題を突然出したらきっと面白いぞ!」っていう感じになってしまったんだろうか? 自分でもどうしてこんな質問をしたのかちっとも分からないのだが、これはちょっとやらかしちゃった感がある。漫画でもあるよね理不尽さを前面に押し出して失敗してるギャグ作品。あぁいうのって余程センスがないと上手く処理できないけどぱっと見簡単そうだからそういう方向に走りがちなんだよなぁ。コメディっていうのはちゃんとしたロジックがあって成り立つものであって、安易に「なんか滅茶苦茶いっておいたらえぇやろ」という甘い見積もりで始めると絶対失敗するんだ。みんながみんなボーボボ描けるわけじゃないんだからまずは基礎を固めてちびまる子ちゃんや南国少年パプワ君を目指そう! 最近だと苺ましまろもいいぞ! あれ? 苺ましまろって何年前だ? 最近ではないよな……話は戻るが最近不条理ギャグ作品ってあるのか? いかん、時代に置いて行かれつつある……これではふいに誰かから「最近のギャグ漫画で面白ものなんかないっすか?」って聞かされた際に答えられん……まぁそんな機会はないと思うが、もし訪れたらギャグマンガ日和って言っておこ。あぁあとあれ気になってんだった、女の園の星。今度一巻だけ買ってみよ。
「ピカちゃん。私はですね、そんな建前的な社会ルール、なくなってしまえばいいと思っているんです」
「え?」
ギャグ漫画の話? あ、違うわ。そういえば公民の問題を出したんだった。
しかしいきなりアナーキーだな。そんな事を俺に訴えられても困るぞ。
「法律や条例なんてものがあるせいで、弱者が泣きを見ているのです」
「……逆じゃないっすか? 弱者のために法律があるんじゃないですか?」
「それは資本家や政治家の洗脳教育によるものです。知ってますかピカちゃん。包丁を持った人間がこちらを刺し殺そうしてきた際、返り討ちにして息の根を止めると罪に問われる事もあるそうなんですよ」
「え? 正当防衛って成立しないの?」
「相手を死に至らしめるような暴行を加えた場合はその時点で防衛の範疇を越え正当防衛が適応されないそうです」
「へぇ」
「これって、おかしくありませんか? 平和な日常に侵略してきた人間を排除した結果こちらが悪いなんて言われるなんて、私はどうしても納得できかねます。これのどこが平等なんでしょうか。私には大変な理不尽に思えてなりません」
「うん……まぁ確かに……」
「ピカちゃん。法というのは、人が人を裁くための都合のいい尺度でしかないんですよ。先の問題の中で人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されないなんて御大層な事が書かれていますけれど、実際はどうですか? 差別主義者は全員罰を与えられていますか? 自身の信条を大声で述べる事ができますか? 男女の性差における不平等はおきていませんか? 上流下流の間に隔たりはございませんか? そんな事ないですよね? 全部が全部、解決されていませんよね。法律なんてものがこの世に出てきてからも依然、人々は奪う者と奪われる者、虐げる者と虐げられるもの、見下ろす者と見下ろされる者に分かれていますよね? この現状を鑑みて、国民が法によって平等に守られているだなんて嘯いている人間こそ私は悪だと、裁かれるべきだと断じます。この世界に決して平等などありはしません。だからこそ、個人個人が戦う力を持つべきなのですが、法とはその力を抑制する枷でしかありません。つまり人間の自由意思を侵害する諸悪の根源なのです。こんなものを信仰するような社会を私は許せません。二度と私の前でこの手の話をしないでください」
「あ、はい」
中々パワーを感じる主張だったが、よくよく考えるとこいつが不利益を被るからなんじゃないかと思わなくもない。現に今も不法侵入なわけだし。ただそれを言うとマジでぶち殺しにきそうだから心の奥にしまっておこう。口は災いの元。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます