第37話 穂ノン、ユカリン、カナン、コスプレライブに臨む!!

 LOVEフェスタが始まり熱気を帯びている沼津キララドーム内。そのドーム内では、遂にメインイベントである各ブースに分かれて行われるコスプレライブが始まったのだ。各ブースには、ライブ用の衣装に身を包んだコスプレヤーが壇上に次々と登場して来る。

 会場内のあちらこちらでは観客達が拍手喝采でコスプレヤーを迎えるのだった。清流学園コスプレ部の星、穂乃花が扮する[花月いるみ]の衣装を身にまとったコスプレヤー穂ノンも壇上へと登場する。穂ノンが現れるや否や、観客達から、


「穂ノンが衣装チェンジして来たぞ!」

「お〜! 花月いるみの戦闘モード衣装での登場だーー!!」

「この戦闘モード衣装での登場、待ってたぞー!」


 と掛け声が上がる。その異様な熱気に包まれた中、壇上の中央へと歩んで行き足を止める穂ノン。そして壇上から、様々なポーズを決め込みながら観客達にカメラ目線を送るのだった。

 そのカメラ目線を受ける観客の中で、必死に穂ノンの姿を収めようとフラッシュを炊きながら撮影をする親衛隊の3人組。


「うおー! 流石はサービス精神旺盛な穂ノンだ。またまた衣装チェンジして、戦闘モード衣装で登場したな。ポニーテールとピンクのリボンシュシュの組み合わせが最高に可愛らしいな」


「それに戦闘モード衣装は、ピンクのフリフリスカートが花をイメージした作りで、花の妖精の様だよ! ああ~君は何て可憐なんだ~」


「ぼ、ぼくは、戦闘衣装が見たかったから、もの凄く感激してるんだな。嬉しくて嬉しくて、また涙が出て来たよ。必殺技の、プリキュアピンクフラワー! を、ぼくに掛けてくれー!」


「こらこら中野よ、お前は本当に泣き過ぎだ! そんな泣き顔を穂ノンにみせたらダメだぞ。俺達親衛隊は、何時でも生き生きとした笑顔を穂ノンに見せて、勇気づけてやる役割を担っているんだ。

 良いか! 宝田、中野よ。これから始まるライブでは、最大級の笑顔を振りまきながら、穂ノンに声援を送るんだ!!」


 相変わらづの、泣き上戸の中野の姿を見た後藤隊長は、穂ノンに泣き顔を見せるなと激を飛ばす。その迫力ある形相に、我に返って顔を引き締める中野。


「分かったで有ります、後藤隊長! 精一杯の笑顔で穂ノンに声援を送ります」

「後藤隊長! ぼくは涙を拭くよ。そうだよ、泣いた顔を見せては穂ノンを不安な気持ちにさせてしまうからな。ぼくの、今出せる最大の笑顔を見せて声援を穂ノンに届けるんだな」


「よし! それでこそ親衛隊員だ。今、見せて居る笑顔を忘れるでないぞ。では、この後のライブでは全力を出して声援を穂ノンに届ける為に、臨戦態勢を敷くんだ、宝田、中野!」


〚はい! 分かりました、後藤隊長。臨戦態勢を敷きます!!〛


 穂ノンの姿をカメラで撮影つつも、この後に控えるライブに向けて気合を入れて臨戦態勢を敷いて行く親衛隊。その穂ノンを応援する為に、気合が入りまくりでテンションMAXに成って居る親衛隊を目の当たりにした隼人と岸本も、テンションが上がって来ている様である。


「親衛隊の皆さんの言う通りだぞ! 僕達も最高の笑顔を穂ノンに振りまいて全力で声援を送ろうぜ、和也。 穂ノン! 僕達の声援で君を頂点に誘ってあげるよー!!」


「おう! 俺達も、親衛隊の皆さんに負けないぐらいの笑顔を穂ノンに届けるんだ。穂ノーン! 俺達が全力の声援を送るから、最高のライブを披露してくれー!!」


 親衛隊に続きテンションMAXに成った隼人と岸本は、大きな声を出して穂ノンに声援を届けるのだった。ライブが行われる前の異様な熱気が、今か今かと見守る観客達の気持ちを高ぶらせてしまった様で有る。

 画面を通して見る映像とは違う、生で見る会場の臨場感が観客をその様にさせてしまうのではなかろうか。その熱気ある観客の中で、比較的目の前に居た親衛隊3人組と隼人、岸本の姿は、壇上の穂ノンの目にもハッキリと映って居たのである。


(あら~わたくしが出場するイベントに、何時も来てくれて居る親衛隊の皆さんがいらっしゃいますの。今日は、何時になくテンションが高いですわね。

 こんなに熱心に応援に駆けつけてくれる親衛隊の方は本当に有難いですわ。その前に陣取る隼人さんと岸本さんも、親衛隊の皆さんに刺激を受けたのかしら? かなり気合の入った笑顔を振りまきながら、わたくしの応援をしてくださってますの。

 知った顔の同級生の応援を貰うと、更なるパワーが漲って来ますわ。良し! そろそろライブ前の、撮影タイムは終わりにしましょう。まづは、わたくしから観客の皆さんに感謝の言葉を述べなきゃね。その後に、ライブをスタートさせて行きましょう!)


 穂乃花は、何時もイベント時に駆けつけてくれる親衛隊の3人と、同級生の隼人と岸本に心底、感激して感謝して居るのだった。そして、穂ノンブースに駆けつけてくれた他の大勢のファン達にも感謝の念を送ろうと、ライブ開始前に感謝の言葉を送る決意をした様だ。

 そして穂ノンは、マイクを手に握り締めると暫くの間、前を見据えて観客達の方に目線を注いだ後、話し出し始めた。


「観客の皆さん、今日はLOVEフェスタにお越しくださり、わたくしのライブを観覧する為にこの場に集まって頂き、本当に有難うございます。わたくしがコスプレヤーとして様々なイベントに出場する様に成ってから早、2年半が経ちました。

 始めたのは中学1年生の冬からでした。最初の頃は全くの無名で、イベントに参加しても見てくださって居る方は2~3人で、その人の少なさに心が折れそうに成る時が幾度も有りました。そんな状況の中でも、わたくしはめげずに地道にイベントに参加し続けて来ました。

 奏功してるうちにコスプレイベントに参加して居る、わたくしを見に来てくれる方が1人、また1人、知らず知らずのうちに増えて行き、今日ではこの様に見てくださる沢山の方が居てくださいます。昨年には初期の頃から、わたくしを熱心に応援して来てくださってる方達が、私設応援団である親衛隊を結成してくださいました。

 今、壇上の目の前に居る特攻服に身を包んだ方達がいらっしゃいます。その3人の方を、今ここで紹介させて頂きますの。後藤さん、宝田さん、中野さんです。皆様、この御三方に注目してください!」


 穂ノンは、初期の頃から自分を応援し続けて来て、とうとう私設応援団である親衛隊まで結成して熱心に応援してくれて居る3人を褒め称え、会場に居合わせた観客達に紹介をするのだった。穂ノンが指差す特攻服を身にまとった親衛隊の3人に、会場に居合わせた観客達から視線が注がれる。





「いや〜皆さん、俺達に注目してくれて有難う! どうもどうも、俺が親衛隊隊長の後藤です!」


「皆んなから注目されて照れるな。今、紹介されました、穂ノン親衛隊です。俺は親衛隊2 号隊員の宝田と言います。お見知り置きを〜」


「ま、周りの視線が注がれていて、何だか恥ずかしくなるよ。ぼくが、親衛隊3 号隊員の中野と言うんだな。これから皆んなで穂ノンを応援して行こうな!」


 穂ノンから紹介されて周りの観客達からの視線を浴びた親衛隊は、恥ずかしい表情を見せながらも自己紹介をするのだった。突然の穂ノンからの粋な計らいに、親衛隊の3人はご満悦の様だ。


「親衛隊の皆様、自己紹介を有難う。熱心に応援してくれるファンが居るからこそ今の、わたくしが有るのです。コスプレは自分の身体を使って、漫画やアニメに登場する好きなキャラクターに成りきって近づく事が出来るんですの。人は誰しも変身願望が有ると、わたくしは思ってるのです。

 幼かった頃に、中学生に成ったらセー○ムーンに成りたい! 大きく成ったら仮○ライダー成りたい! と変身願望を抱いてた方も観客の皆さんの中には居ると思います。わたくしがコスプレを始めたいと思ったのがまさに、中学生に成ったらセー○ームーンに成りたい! と言う変身願望からでした。

 そんな夢が叶うのがコスプレなんです。好きなキャラクターの格好をしてポーズを決めて、観客の方達に写真や動画を撮って貰って、夢に見たあの子に成れた時、何とも言えぬ幸福感に満たされるのです。コスプレをして好きなキャラクターに成りきる為には、そのコスプレ姿を見てくださる方が居て、その方達とのコミュニケーションが有ってこそ成り立つのです。

 ですから、わたくしのファンで居てくださり、今ここに駆けつけて応援してくださる方が何より大事なのですわ。皆さん! これからも、わたくしコスプレイヤー穂ノンを応援してくれますかーー?」


 穂ノンは、自分が如何してコスプレの世界に入って来たのか、そのコスプレを披露して、その姿を見て感じてくれるファンがどれだけ大事なのか、と切々と語るのだった。

 そして穂ノンは話の締めくくりとして、これからもコスプレイヤー穂ノンを応援してくれるのか? と、大きな声で観客達に問い掛けた。


「あったりまえさー! 穂ノンは俺達の天使なんだからな。何時までも応援するぜ!」

「右に同じく、コスプレイヤー穂ノンを何時までも応援し続けるぜー!」


「私も誓うぜ! 地上に舞い降りて来た天使、穂ノンを応援するよ」

「勿論、僕たちの可憐な穂ノンを応援するさ!」


「皆んなで、穂ノンを応援しようじゃないか。穂ノン! 穂ノン! 穂ノン!」

「そうだ! 皆んなで声を上げよう。穂ノン! 穂ノン!! 穂ノン!!!」


 穂ノンからの問い掛けに、観客席のあちらこちらからエールが送られる。そして、観客の中から[穂ノン!]コールを言う者が現われ始じめ、その穂ノンコールは次第に観客達へと広まって行く。


「穂ノン! 穂ノン!! 穂ノン!!」

「穂ノン! 穂ノン! 穂ノン!! 穂ノン!!穂ノン!!!」

〚穂ノン! 穂ノン!! 穂ノン!! 穂ノン!!! 穂ノン!!!〛


 そして、とうとう穂ノンコールは観客達全員へと広まり、会場内は騒然と成って行く。その光景を目の当たりにした穂ノンは、感極まった表情を見せながら壇上からジッと観客達を見つめるのだった。


(有難う皆さん、わたくしの為にこんなにも声を上げてコールしてくださるなんて。こんなに温かく、熱心なファンに支えられてる、わたくしは本当に幸せ者ですの。その皆さんの声援に答える為にも、全身全霊をかけてコスプレライブを披露致しますわ!)


 穂ノンは自分を応援してくれる熱心なファンを目の前にして心底感激して居るのだった。そして、全力でライブを披露して観客達の声援に答える決意を胸に秘めて、口を開いた。


「観客の皆さん、割れんばかりの声援を有難うございます。こんなに素敵なファン が居てくれて本当に嬉しいですわ。では、今からコスプレライブを開始したいと思います。

 皆さんの心に届く様に全力で歌いますね。曲は、ハートキャッチいるみちゃん、オープニングテーマ曲である[スマイル! ハートキャッチいるみ ちゃん]を歌います。聞いてください!」


 穂ノンは、観客達に感謝の言葉を述べた後、ライブ開催の宣言を述べて、壇上の立ち位置に着きポーズを決め込む。そして曲が場内に流れ出して、遂に穂ノンの単独コスプレライブが始まったのだ。


 ※ここから先はハートキャッチいるみちゃん、オープニングテーマ曲[スマイル! ハートキャッチいるみちゃん](山歌バージョン)の楽曲に乗って、読者様も曲を口づさんで合いの手を入れながら一緒に応援してください。


⦅トゥトゥトゥ♪ トゥトゥトゥ♪ トゥトゥトゥトゥ♪⦆←流れる伴奏

〚オールライト!〛←合いの手を入れる観客


「ハートキャッチいるみちゃん♪ さあ登ろう♪♪」←穂ノンの歌声

〚ハイ! ハイ!〛


「ハートキャッチいるみちゃん♪ 花を見よう♪♪」

〚スマイル! ハートキャッチ! いるみちゃん!!〛


「一歩一歩登り♪ 見え始めて来た♪ 目の前にはお花が有るよ♪♪」

〚スカイ! ハイ!!〛


「野山で自生する~山野草たちは♪」

〚ハート! キャッチ!!〛


「大自然の~空気の中で~育ったよ~♪」

〚ハートキャッチいるみちゃん!〛


「風や雨にさらされても♪ 元気に育ち花咲かせたー♪♪」

〚オールライト!〛


「ハートキャッチいるみちゃん♪ さあ登ろう~♪♪」

〚ハイ! ハイ!〛


「ハートキャッチいるみちゃん♪ 花を見よう~♪♪」


「山野草たちは♪ 自生して♪ 根を生やし花咲かせ~♪♪」

〚ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!〛


「天空のお花畑と成る♪ ハートキャッチいるみちゃん♪♪」

〚トライ! ハートキャッチいるみちゃん!〛

〚ドリーム! ハートキャッチいるみちゃん!〛


 (ここから間奏に入り、穂ノンは曲に合わせて手でハートマークを作り、ハートキャッチのイメージをして見せる。そして、身体を回転させながら両手を上に下に振りながら笑顔でダンスする穂ノン)


⦅トゥトゥトゥー♪ トゥルルルルルー♪ トゥルルルトゥルルル♪ トゥルルルルルー♪ ルルル♪ ルルル♪ トゥルルル♪ トゥルルル♪ トゥー♪♪ トゥー♪♪ トゥー♪♪⦆


「いろんな色の花咲かせる♪ 山野草たちは可憐だ♪♪」

〚オールライト!〛


「ハートキャッチいるみちゃん♪ 命が芽生える~♪♪ ハートキャッチいるみちゃん♪ 生きようとしてる♪♪」

〚オールライト!〛


「ハートキャッチいるみちゃん♪ さあ登ろう♪♪ ハートキャッチいるみちゃん♪ 花を見よう♪♪」

〚スカイ! ハイ!〛


「山野草たちは♪ 自生して♪ 根を生やし花咲かせ~♪♪」

〚ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!〛


「天空のお花畑となる♪ ハートキャッチいるみちゃん♪♪」


 最後に手に持つステッキを観客達に向けながら、ラストのフレーズを高らかに歌い終える穂ノン。


〚いるみちゃ〜〜ん!!〛

 最後のフレーズに合わせて、観客達はサイリュームを穂ノンに向けながら高らかな声を張り上げて、いるみちゃん!!と、叫ぶのであった。


〚いるみ、いるみ、いるみちゃん! いるみ、いるみ、いるみちゃん!! いるみ、いるみ、いるみちゃん!!!〛


※ハートキャッチいるみちゃん、オープニングテーマ曲[スマイル! ハートキャッチいるみちゃん](山歌バージョン) 作詞:天童晴太


 穂ノンの歌とダンスが終わった後も、観客達から鳴り止まぬ、いるみちゃんコール。そのコールは会場中に響き渡る。

 この穂ノンを応援する観客達の熱気は他のコスプレヤーのブースに居た人達にも届き、何時の間にか穂ノンのブースへと移って来て、穂ノンのブースは会場中の観客達の3分の1に迫る人数が集まって居たのだ。


「穂ノーン! いるみちゃんが現実の世界に舞い降りて来た様だったよー!」

「最高のライブだった! 君は本当に可憐な天使だよ。見に来て良かった〜!」


「こんなに完成度の高いコスプレ姿でのライブ、凄く感動したよ! 素晴らしいライブを披露してくれた穂ノンを皆んなで称えようじゃないか。穂ノン! 穂ノン! 穂ノン!」


「そうだ! 皆んなで穂ノンを称えよう。穂ノン! 穂ノン! 穂ノン!!」

「穂ノン! 穂ノン! 穂ノン!! 穂ノン!!」


〚穂ノン! 穂ノン! 穂ノン!! 穂ノン!! 穂ノン!!! 穂ノン!!!〛


 親衛隊から、素晴らしいコスプレライブを披露してくれた穂ノンを称えようと、穂ノンコールの声が上がる。すると他の観客達も呼応して行き、全ての観客から穂ノンコールが沸き起こる。そのコールを壇上から聞いて居た穂ノンは、感慨深げに観客達を見て要るのだった。


(観客の皆さん、わたくしを応援してくれて、わたくしを称えるコールまでしてくれて有難う。今まで地道にコスプレ活動をして来て、本当に良かったわ。これからも応援してくれるファンの方達を大事にして、今後の活動を行いますの)


 穂ノンは、自分のコスプレイベントの為に集まり応援をしてくれるファンを大事に思い、今後の更なる飛躍を誓う。そして穂ノンは、ニッコリと笑顔を見せると口を開いて話し出した。





「皆さん、わたくしを応援して頂き、盛大なコールを送って頂き、本当に本当に有難うございました。

 わたくしがコスプレ活動を継続して行けてるのは、応援して声援を送ってくださってる皆様ファンの方達が居てからこそです。これからもファンの方を大事にして行き、共に歩んで行ければと思っております」


「有難い言葉を掛けてくれて嬉しいよ、穂ノン!」

「これからも、ずっとずっと穂ノンを応援し続けるよ」

「穂ノンは最高のコスプレヤーだ。俺達は貴女のファンで居られて幸せだぜ!」


 穂ノンから感謝の言葉を貰ったファン達は感無量の表情を見せる。そして穂ノンを応援してファンで居続ける事を誓うのであった。


「わたくしを今後も応援して行くと言うお言葉を頂き、有難うございます。皆さんの期待に答える為にも、精進して頑張って行きますので、今後も応援を宜しくお願いしますの。

 では、わたくしの単独ライブはこれで終わりに致します。ですが皆さん、ライブはこれで終わりに成る訳ではありません。なんと! この後は2回目のライブが開催されるのです!」


「おお〜何だって! 2回目のライブが有るんだ」

「それはビックニュースだな。まさか、2回目のライブが有るとは思わなかったよ!」


「今度は一体、どんなコスプレ衣装を来て何を歌ってくれるんだ。教えてくれ、穂ノン!」

 穂ノンから、2回目のライブが有る事を告げられた観客達は、一斉に驚きの声を上げて歓迎するのだった。


「皆さん、驚かれた様ですね。今回のLOVEフェスタでは、是非ともこの東海大会を通過して全国大会に駒を進めたいと考えて居ますの。そこで、わたくしは2回目のライブを開催して、観客の皆さんにアピールをしたいと考えました。

 その為には、違った思考を凝らさなければと思い、強力な助っ人を呼んで、3人でライブを行う事にしました!」


「おお〜なんと! 助っ人を呼んで有って、3人でライブを行うと言うのか!」

「それはまた、粋な思考を考えて来たんだね。3人でのライブ、大歓迎だよー!」


「とっても嬉しい知らせなんだな。……でも、一緒にライブを行う助っ人の2人が気になるよ。一体、どうゆう女子が出るのかなあ?」


「おお〜そうだな。中野の言う通り、ライブを一緒に行ってくれる女子が気に成るな。穂ノン! 質問が有るんですが、ライブを共に行ってくれる女子は、貴女とどうゆう関係の女子なのですか。コスプレ仲間、それとも親しい友達なのでしょうか?」


 穂ノンから強力の助っ人を呼んで有ると言う事を聞いた親衛隊は、すぐ様歓迎の言葉を口にする。だが、ライブを共にすると言う女子の事が気に成る様で、隊長の後藤が手を上げて穂ノンに問い掛ける。


「あら〜親衛隊の皆様、ライブの助っ人に呼んだ方が、どうゆう方なのかが気になるのですね。教えますわよ。その方達は、わたくしの親しい友達ですの。

 凄く可愛らしいくてコスプレ衣装も似合っていて、歌とダンスも上手な方達ですわ。その素敵な方達が、ライブの助っ人をして貰える事に成り、わたくしも凄く心強く思ってますの」


「そうなんだ、穂ノンの親しい友達なんですね。しかも、コスプレ衣装が似合い歌とダンスも上手だとくれば、言う事無しですな!」


「そうなんです、後藤さん。可愛くて衣装が似合い、歌とダンスも上手なので三拍子揃った方達なんですの。この2人の素敵な友人の助っ人が有れば、きっと素晴らしいライブをお見せする事が出来ますわ。

 では、わたくしは2回目のライブに備える為に、控え室に戻ろうと思います。ですので、今から15分間の休憩に入らせて貰います。それでは皆さん、また後ほどお会いしましょう!」


 穂ノンは、次なる2回目のライブに向けて準備に入る事を観客達に告げると、一礼をした後に控え室へと戻って行く。そして控え室では、友香里と華菜が笑顔を見せながら両手を広げて穂乃花を出迎えて居たのだ。


「穂乃花、お疲れ様でした! 私達、穂乃花の上手な歌とダンスを惚れ惚れとして見てたわよ」

「穂乃花、お帰りなさい。こんなに大勢の観客達の前でも堂々としてライブを行って居る姿が素敵だったわ!」


「お褒めの言葉を有難う! はあ〜凄く緊張したけど、単独ライブが無事に終わって良かったですわ」


 穂乃花は2人の元へ飛び込む様にして抱き着くのだった。そして労いの言葉を掛けて貰った穂乃花は、安堵の表情を浮かべてライブでの緊張を解すのであった。


「あ〜沢井さんと杉咲さんの顔を見たら、ライブでの緊張が吹き飛びましたの。先ずは第1関門を突破出来たわ。次の2回目のライブ、今までの練習の成果を出して成功させましょうね。では早速、わたくし衣装チェンジに入りますわ。速やかに着替えを完了したいので、お2人さんも手伝ってください!」


「分かったわ、穂乃花! 少しでも早く着替えが終えれる様に、あたし達が手を貸すわ」

「そうね、早いとこ着替えを済ませて、次のライブに備えましょう。さあ早速、服を脱いで穂乃花!」


「はい、分かりましたの! 速やかに、服を脱ぎますわ」


 穂乃花の単独ライブが終わったのも束の間、控え室内では2回目のライブに向けて穂乃花の衣装チェンジが行われる。その衣装チェンジが行われて居る頃、穂乃花のブース前では今か今かと3人の登場を待ち侘びる観客達の熱気が立ち込めて居たのだった。

 その騒めく観客の中で、一人怪しい格好をしながら2回目のライブを待つ山岸先生の姿があったのだ。


「それにしても、如月のライブは凄く上手に歌と踊りが出来て居て、最高に良かったな。それに、アニメの世界から飛び出て来たかの様なコスプレ衣装の着こなしと、何より如月のあの可愛らしさ! 我が教え子ながら惚れ惚れとしてしまって、何時の間にか前の方に割り込みしてまで声援を送ってしまってたよ。

 会場の熱気も最高超に成って来てるから、3人で行われる次のライブが楽しみに成って来たぞ!」


 穂乃花を応援する観客達の輪の中に先生も居たのだが、教え子のライブでの奮闘ぶりにテンションが上がってしまった様で、観客達の間の中に割って入って前方の観覧ポジションで応援をして居たのである。


「大分、前の方に出て来たから、星野さんに近づいてしまってるよ。何とか気付かれない様に、コートの襟を立てて顔を隠して待って居る様にしなければな。……うん、この感じなら気づかれづに済むだろう」


 先生は、応援する場所が隼人に近づいてしまってる事を心配して、悟られない様に出来るだけ顔を隠して、そっぽを向いて居るのだった。そして、先生が自分達の近くに来て居る事はつゆ知らず、隼人と岸本は親衛隊と意気投合しながら話して居た。


「とても素晴らしいライブでしたね。いるみちゃんの戦闘モード姿が凄くカッコよくて可愛いくて、僕は目を釘ずけにしながら声援を送ってたよ」


「俺も、穂ノンの衣装の可愛らしさに見とれながら声援を送ってたよ。歌とダンスも申し分ない出来栄えだったですね。親衛隊の方達と一緒に合いの手を入れる事が出来て良かったです!」


「君達が合いの手を入れるのが上手い上に、声出しも素晴らしかったよ。我が親衛隊にスカウトしたい位だよ。そう思わないかい中野!」


「そ、そうなんだな。後藤隊長の言う通り、親衛隊の合いの手にピッタリと合ってたからね。これは、次のライブでも統率の取れた合同応援が出来そうだよ」


「君達2人は本当に合いの手のいれ方も上手く、声も大きく応援が出来て居て親衛隊の、わたし達も顔負けしそうだったからね。……如何でしょう、隊長! こんなに上手く応援が出来る人達なんだから、親衛隊にお誘いしませんか?」


「おお〜そうか、中野と宝田もそう思うかい。本当に元気ある応援が出来る人達たがらな。如何だい君達、我が親衛隊のメンバー達もこう言ってるから、親衛隊に入ってみては。今、隊員を募集中なんだが、考えてみてはくれないか?」


 一緒に穂ノンを共に応援して打ち解けて来て居た隼人と岸本に、親衛隊からお褒めの言葉が上がる。そして隊長の後藤から、2人に対して親衛隊の隊員に成らないかとお誘いの言葉が掛けられたのだ。

 その申し出を聞いた隼人と岸本は顔を互いに見合わせて唖然とした表情を見せて居たが、暫くすると口を開いて話し出した。


「あ~何と言うか、突然のお誘いに驚いてるのですが。まあ確かに穂ノンを応援したいと言う気持ちは一致していますからね。ただ、この場で即答する訳にはいかないと思うんです」


「お誘いしてくれるのは嬉しいんですが、隼人の言う通り直ぐに返事は出来ないですよ。検討してみると言う事にさせてください。ですので、今は2回目のライブ応援を頑張る事に気持ちを集中させましょう!」


「そうか~残念だな。今この場で入隊の返事をくれと言うのは無理があるよね。いや~君達とは息がぴったりと合う応援が出来て居たんでね、お誘いをしてしまったんだよ。君達の言う通り、今は2回目のライブ応援に集中しなきゃな」


「君達とは息が合って応援出来てたから、良い仲間に成れると思ったんだけどね。唐突な事を言って申し訳なかったです。後藤隊長! まづは目先の応援をお二人さんと一緒に頑張って行きましょう~」


「そうなんだな、まづはライブ応援に気持ちを集中させる方が良いと思うな。親衛隊への入隊のお誘いは、また改めてした方が良いですよ、後藤隊長!」


「ハハハハ! 俺達、親衛隊は気が早すぎるんだよな。中野の言う通り、改めて入隊のお誘いをするとしようじゃないか。……それはそうと、穂ノンが控室に入って15分は経ってるぞ。そろそろ2回目のライブが始まる頃じゃないかな」


 せっかちな入隊お誘い話が持ち上がったが、ここは即答は出来ないと言う隼人と岸本からの申し出を受けた親衛隊の3人。その、ごもっともな回答を聞いた親衛隊は苦笑いしながら受け入れるのだった。

 だが今は、穂ノンのライブ応援に気持ちを集中させようと、隼人と岸本との合同応援に闘志を燃やして来て居る親衛隊の姿があったのだ。

 そして、その親衛隊が闘志を燃やして居る頃。穂ノンの控室内では衣装の着替が完了して、友香里と華菜、穂乃花の3人が2回目のライブに向けて円陣を組んで居たのだ。


「さあ、円陣を組みましたわね。いよいよ3人でのライブを行いますわよ。今までの練習の成果を出して最高の歌とダンスを披露して、観客達を驚かせて上げましょう!」


「そうね、あたし達は今日のライブの為に限られた時間の中で一生懸命に練習して来たわ。その成果を出して、観客達に披露する時が来たのよ」


「今、凄く緊張して居て身体が震えてるけど、この緊張感を逆に味方に付ければ良い方向に持って行けるハズよ。とにかく、本場が来たのよ。気合いを入れて行きましょう。穂乃花! 掛け声の音頭をお願いね」


「うん、わたくしが音頭を取らさせて貰うわ。これからライブに向かうけど、一生懸命に練習を頑張って来た成果を出して行きましょう。では、言わせて貰いますわよ。清流学園コスプレ部~おお~~う!!」


〚おお~~うう!!!〛

 控室内に3人の掛け声が響き渡る。そして、円陣を組んだ手を離すとお互いにハイタッチを交わし合って気合を入れると、控室から出てステージに向かって行くのだった。




「おおーー!! 穂ノンを先頭に、他に2人のコスプレイヤーが出て来たぞ」

「穂ノンの助っ人で出て来た友達が、めっちゃ可愛いいじゃないか!」


「ゾンビランド加賀に登場する、桜子と愛花と純奈の3人娘姿で登場して来たよ!」

「この可愛らしい白を基調とした衣装は、ゾンビランド加賀の楽曲[山を登りつめろ!]の衣装だぞ!」


 穂乃花、友香里、華菜が登場するや否や、観客達は歓声を上げる。そして、その身に付けて居る衣装が、ゾンビがアイドルに成って楽曲を歌うグループ、フランキュキュの3人娘のコスプレ衣装だと分かり、観客達のテンションはMAXに成って行く。

 その成り止まぬ歓声を聞いた3人は驚きの表情を浮かべて、ステージ上から観客達を見下ろして居るのだった。


(ちょっと凄い歓声が上がってるじゃない。穂乃花の単独ライブの時より観客達の熱気が凄いわ。こんなに注目を浴びるなんて思いもよらなかったわ)


(ど、如何しよう。観客達からの視線と熱気が予想以上だわ。それにしても、ステージ上から観客達の顔がハッキリと分かるのね。こんなに注目されたら、緊張しまくってしまうじゃない~)


(わたくしの単独ライブの時よりもはるかに歓声が上がってますわ。これは、沢井さんと杉咲さんのビジュアルが輝きを放ってるからに他ならないわ。やはり、2人の存在感は群を抜く者が有りますの。これは、この後のライブが盛り上がりそうですわね!)


 観客達の異様な熱気に、緊張感が最高に高まって居る3人であった。だが穂乃花だけは、この盛り上がりは助っ人として登場した友香里と華菜の存在感が際立って居るからこそだと悟り、この2人の力を貰って2回目のライブを成功させようと決意を新たにして居るのだった。そして、この観客達の騒めきの中、穂乃花が口を開いて話し出した。


「皆さん、お待たせしました! これから、2回目のライブを開催しますの。凄い声援を貰って、わたくし緊張しておりますが、ここに居る友人と一緒に最高のライブを皆さんにお披露目出来ればと思って居ます。

 まづはライブを始める前に、わたくしの友人を紹介したいと思います。わたくしの右隣の方が、ユカリンさん。左隣の方がカナンさんです。お二人共、とても可愛らしい方達なので、凄く衣装も似合って居て素敵なコスプレ姿を披露されてますわ。

 では、そんな可愛らしい友人のお二人に、観客の皆さんにひと言ご挨拶をお願いしたいです。まづは~カナンさんからどうぞ!」


 穂乃花から、コスプレライブに参加する友香里と華菜の紹介が観客達に成された。そして、ひと言ご挨拶をと促された2人は、マイクを持つとニッコリと笑顔を振りまきながら口を開いた。


「皆さん、こんにちは! あたしはカナンと言います。今日は練習して来た成果を出して全力でライブを披露しますので、宜しくお願いします」


「初めまして、私はユカリンと言います。今日は穂ノンさん、カナンさんと一緒に皆様に素晴らしいライブをお見せしますので応援の程、宜しくお願いします!」


 友香里と華菜は観客達に向けて一言挨拶を送ると、笑顔で一礼するのだった。すると観客達から一斉に拍手が沸き起こり、2人にエールの声が掛けられる。


「ユカリンとカナンと言うのか。凄く可愛らしいくて惚れ惚れしちゃうよ~」

「凄くコスプレ衣装が似合って居て素敵じゃないか! 穂ノンに最高の助っ人が付いてくれたな」


「穂ノンと3人でのライブが楽しみに成って来たよ。妖精の様なお二人さん、頑張ってね!」


「愛花と純奈のコスプレ衣装が本当に似合ってるよ。これは、ゾンビランド加賀の楽曲を歌う姿が楽しみに成って来たな。俺達は全力で声援を送るから、頑張ってくれよな!」


 友香里と華菜のビジュアルの良さも手伝って、可愛らしいコスプレ衣装で登場した2人に称賛の声と視線が観客達から寄せられる。その注目の的と成った友香里と華菜は、ステージ上で照れまくって居るのだった。


「はい! ユカリンさんカナンさん、ひと言有難うございました。お二人に観客の皆様から、熱い視線が注がれてますね。本当に可愛らしくて素敵な方達です。

 それに歌とダンスも上手ですから、この後のライブもきっと持ってる力を発揮してくれると思いますわ。では、そろそろ2回目のライブを開始したいと思います。わたくし達3人は、限られた期間の中で一生懸命に練習して来ました。

 今日は、その成果を皆様にお見せする時です。披露する曲は、フランキュキュの[山を登りつめろ!]です。この曲を知ってる方は沢山居ると思います。応援歌の様な、凄く元気が出る爽やかな曲ですので皆様、一緒に歌って口ずさんでくださいね。それでは、ライブを始めます。聞いてください!」


 穂乃花からフランキュキュの楽曲[山を登りつめろ!]を歌う事が観客達に告げられ、ライブ開始の号令が掛かり3人は壇上で立ち位置に着いて行く。そして観客達の異様な熱気の中、楽曲が会場に流れ始めて遂に、穂乃花、友香里、華菜によるコスプレライブが始まったのだ。





 ※ここから先はフランキュキュの楽曲、[山を登りつめろ!](山歌バージョン)の楽曲に乗って、曲を口ずさんで合いの手を入れながら一緒に応援してください。


(さあ、曲が流れ始めましたわよ。頑張りましょう、沢井さん杉咲さん!)

(とうとう本番が来たわね。とにかく頑張るしかないわ。初っ端の、敬礼してから回転して背中を見るところの振り付け可愛いのよね)


(始まったわ! 真剣勝負で臨まなきゃ。まづは敬礼からの身体を回転してお尻を突き出すポーズね。最初から恥ずかしいわ~)


⦅トゥルルル♪ トゥトゥトゥトゥ♪♪ トゥルルル♪ トゥトゥトゥトゥ♪♪ トゥルルル♪ トゥトゥトゥトゥ♪♪ トゥー♪ トゥー♪ トゥー♪ トゥー♪⦆←(流れる伴奏)

「レディー、ゴー♪♪」←(3人の歌声)

〚レディー、ゴー!〛←(観客の合いの手)


(うわ~! 最初の手を突き上げて指さすポーズで、会場中が歓声に包まれたわ)

(この、レディーゴーの掛け声で観客達と私達が一体と成った感じね。最初からテンション上がるわ~)


(まづは、会場の皆さんを指さすポーズが決まりましたの。出だしから会場中が盛り上がったわ。良し、この調子で着き進むのよ!)


「なんだかいつも疲れてる♪ あんまり具合が良くない♪♪」

「そんな時は誰でもあるでしょう♪」

〚ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!〛


「山はいつでも待ってる♪ 登って来いと言ってる♪♪」

「期待に答える為に登ろうよ♪」

〚ウー、ハイ! ウー、ハイ! ウー、ハイ! ウー、ハイ!〛


「ドント、ビーシャイ♪ 道は険しいけれど♪♪」

「ゴー、ボーイ&ガールズ♪ 心の準備は出来たかな♪♪」

〚ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!〛


「山を登りつめろー♪♪」

〚フレ! フレ! フレー! レッツ、ゴー!!〛


「君が登って来るのを待ってる♪」

〚イエス! ユーキャン、ドゥーイット!〛


「声を上げ歩き始めろ♪」

〚フレ! フレ! フレー! レッツ、ゴー!!〛


「今、歩き始める君を♪ 貴女を君を♪♪」

「山頂で待ってる♪♪」

〚ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!〛


(よ~し! 間奏のところまで来たわ。ここから手を突き上げて観客達の合いの手を貰ってからの、知り振りダンスに入るのよ)


(今の観客達と一体と成った雰囲気が最高に気持ち良いわ。ここから横一列に並んで電車ごっこのポーズをしながら尻り振りダンスね!)


(うん、タイミング良く一列に並んで電車ごっこポーズに入ったわ。ここからお尻を突き出しながら尻振りダンス開始ですの!)


⦅ドゥルルルル♪ ルッルッルッルル♪ ルールールールー♪ ドゥルッルッルッルル♪ ドゥドゥドゥドゥ♪ ドゥ♪ ドゥ♪ ドゥドゥ♪⦆


「道を見失う事あるよ♪ 転ぶ事も有るよ♪♪」

「苦労して辿り着く先に♪ 凄い景色が広がる♪♪」

〚ウー、ハイ! ウー、ハイ! ウー、ハイ! ウー、ハイ!〛


「山を登りつめろー♪♪」

〚山を登りつめろー!〛


「君のやる気と根性を見せろよ♪」

「登り出す宣言をしよう♪」


「未だ知らない眺めを♪ 僕と君とで♪♪」

「体験しに行こうー♪」

〚ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!〛


「山を登りつめろー♪♪」

〚フレ! フレ! フレー! レッツ、ゴー!!〛


「君が登る姿は素敵だ♪」

〚イエス! ユーキャン、ドゥーイット!!〛


「頂上まで必死に登れ♪」

〚フレ! フレ! フレー! レッツ、ゴー!!〛


「まだ見た事ない景色を♪ 君と一緒に♪♪」

「山頂で眺めよう♪♪」


(とうとう最後のフレーズのところまで来たわ。90度づつジャンプしながら回転して観客達に背中を見せるのよ)


(うん! 沢井さんと杉咲さんとの息もピッタリで、180度回転が完了しましたの。お二人共、ここまでノーミスで歌とダンス成し遂げたわ)


(観客達に背中を向けてタメを作ってからの~一気に観客達の方に振り返って右手を突き上げて~レディー、ゴー!!で締めくくりよ!)


⦅トゥルルル♪ トゥトゥトゥトゥ♪♪ トゥルルル♪ トゥトゥトゥトゥ♪♪ トゥルルル♪ トゥトゥトゥトゥ♪♪ トゥー♪ トゥー♪ トゥー♪ トゥー♪⦆


「レディー、ゴー♪♪」

〚レディー、ゴー!〛


⦅トゥ♪ トゥ♪ トゥトゥトゥ♪ トゥートゥー♪ トゥルルルルルルー♪ トゥーー♪♪⦆


(最後の伴奏に合わせて、右手を斜め上に突き上げるポーズが決まったわ!)

(ノーミスでやり遂げたわね! あたし達、申し分ない歌とダンスを披露出来たわ)


(うん、この最後の決めポーズも一糸乱れづに出来ましたわ。観客達、一人一人の笑顔が本当に良く見えますの!)


⦅ウオーーー!!!⦆

⦅パチパチ! パチパチ!! パチパチパチパチパチ!!!⦆


 右手を斜め上に突き上げる最後の決めポーズが決まり、穂乃花、友香里、華菜の渾身の力を込めたコスプレライブが終了した。ライブが進むにつれて観客達も増々、増えて行き穂ノンのブースには会場に訪れた人達の半分が詰めかけて居たのだ。

 その素晴らしく完成度の高いライブを目の当たりにした観客達から、ステージ上の3人に拍手喝采が送られるのだった。


〚穂ノン! 穂ノン! 穂ノン!! 穂ノン!! 穂ノン!!! 穂ノン!!!〛

 観客達から、一斉に穂ノンコールが沸き起こり会場内は騒然と成って行く。


〚ユカリン! ユカリン! ユカリン! ユカリン!! ユカリン!!〛

〚カナン! カナン! カナン! カナン!! カナン!!〛


 続いて、穂乃花と一緒に素晴らしく素敵なライブを共に披露してくれた友香里と華菜にも一斉にコールが沸き起こって行く。その会場を揺るがさんほどのコールをステージ上で聞いて居た3人は、感無量の表情を見せて居るのであった。

 そして3人は、ようやく突き上げていた右手を降ろすと笑顔を見せながらステージ中央に集まり、横一列に並んで行く。


「ハアー、ハアー、お疲れ様~沢井さん、杉咲さん!」

「お疲れ様~ハアー、凄く激しいダンスだったけどやり遂げたわ」

「フウー、まだ息が荒いけど、ノーミスで終える事出来たわよ~」


「流石は、わたくしが見込んだだけの事が有りますわ。お二人さんは、最高の助っ人として活躍してくれましたの。有難うございます。では壇上から、盛大な声援を送ってくれた観客の皆さんに、感謝の意を送りましょう。沢井さん、杉咲さん、わたくしと手を繋いでください!」


 穂乃花は、最高の助っ人ぶりを見せてくれた友香里と華菜に感謝の言葉を述べる。そして観客達に感謝の意を送る為、中央の立ち位置に居た穂乃花は友香里と華菜に手を差し伸べて繋いで行く。3人はお互いに顔を見合わせた後、ガッチリと繋いだ手を高々と上げた。


〚皆様、応援有難うございました~!!〛

 穂乃花、友香里、華菜の大きな声が響き渡る。そして手を繋いだまま、頭を深々と下げて観客達に感謝の意を送るのだった。


⦅パチパチパチ! パチパチパチ! パチパチパチパチ!!⦆


「素晴らしいライブを有難う! 穂ノン、ユカリン、カナン」

「こんなに素敵なライブを見る事が出来て、最高の気分だよー!」

「上手な歌とダンスが見られて、猛烈に感動したよ。君達は地上に舞い降りた天使だ!!」


 その感謝の意を受け取った観客達から、盛大な拍手喝采が3人に送られる。暫くの間、頭を下げて聞いて居た3人だったが、ゆっくりと身体を起こして頭を上げて行き、しっかりと前を見据えて観客達に向き合うのであった。

 穂乃花、友香里、華菜によるコスプレライブは大盛況のうちに終わりを告げる。その3人の目には、やり遂げた達成感からか大粒の涙が溢れて居るのであった!!


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