わたし こわいの

鷹鷺鴛鴦

1、

わたしにはこわいものがあるの

でもこの話を知っている人は何をいまさらと

わたしをわらうの

でも知らない人はとことんまで知らないだろうから

こわいと思う理由をここで書いてみようかと思うの


日本は見えない警報が発令中よ

発令しているのは気象庁でもなんでもない

森羅万象に神宿る日の丸が

わたし、それを聞こえぬ耳で聞くの

見えぬ目で見るの

歩けぬ足で歩いてさがす

どうして話しがこうなるのって

わたし それがこわいの


今の日本はシークレット味

わたしはそれを受け取る側の人間よ

新聞やテレビの中の人が選択した情報を甘受するの

今日のこれも歴史、明日のそれも歴史

昨日のあれも歴史、それ以前のどれもが歴史

それらはすぐに消え去って一部だけが皆の記憶に残るのね

だけど消え去るべきでない歴史もあるはずなのよ

皆が覚えておくべき歴史はあるのに意図的に消されるのがこわいの

意図的に改変されるのもこわいの

日本に住んでいる人は国籍関係なしに覚えておくべきことってあるでしょ?


その選択をするのは誰なりや誰ありき

果たしてそれは受け取る側の自由だろうか

是か非か

黒か白か

それを動かして位置を変えるのは誰なりや誰ありき

その罪はその罰は

それを決めるのは誰なりや誰ありき


わたしは日本人でこの日本に住んでいる

有名でもなんでもない、ただの人間よ

わたしは収入の何割かを税金に納める働き蜂よ

子どもを養うために一生懸命働いているわ

そのうえで

この世に生を得た以上は正しい歴史の知識を持ちたいと願う人よ


そんなわたしにもほっとするふるさとがあるの

ふるさとはいつでも心の中で見ることができる

そこは山と海に囲まれた小さな民家よ

少女のわたしとおばあちゃんがいるの

おばあちゃんはとっくのむかしに死んだがここで生きている

そう、そこはわたしの思い出の世界よ

疲れた時、悲しい時、わたしは心の中のふるさとにもどるの

そして見るの

今回はみなさんの意識も連れて行くわ

もちろんこれを読むのをやめると元の世界に戻るわ

つまり、お気軽にどうぞってことね


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