ダンジョン
まずはダンジョンに入ってみよう! 階段を下りている途中も魔物が襲ってきたけれど、ベリーとライチが倒してくれた。
ここも広いフロアのダンジョンだったけれど、魔物がひしめき合っている……あまりの量に言葉を失う。
『ハル、サンダーレインくまよ!』
「あっ……そうだね。サンダーレイン!」
フロアに雷がいくつも落ちて、沢山いた魔物がどんどんドロップ品に変わっていく。
『ハル、大丈夫ぴょん?』
「う、うん。あまりの多さにちょっとびっくりしすぎちゃった」
『いつも以上に凄い数だったこんね』
「うん、今までも多かったけれど、それ以上に凄かったね……もう何がいたのか分からないもんね」
『よし、今度は拾うぱん~!』
「あっ、でも、下の階から上がってくるかもだから、気を付けようね」
『くまっ!』
『任せるぴょん!』
『ぱん!』
『まかせてぴよっ!』
『こんっ!』
風魔法で中央にドロップ品を集めたら、みんなで拾ってアイテムボックスに仕舞っていこう。アイテムを仕舞い終わったら、ダンジョンの床を鑑定してダンジョンの情報を見てみる。
地下に埋まっているダンジョン:15階層からなるダンジョン。どこまで魔物が増やせるか試したかったみたいです。
(なにそれ!? 迷惑なダンジョンだなぁ……)
「ここは15階までだって。よし、がんばってクリアしよう!」
『そうくまね』
『がんばるぴょん!』
「どこまで魔物が増やせるか試したかったみたいだよ」
『ぱんっ!? そ、そんな事が……』
「ね、びっくりだよね」
『そうくまね~』
『たおしちゃうぴよー!』
『がんばるこん!』
その後もどのフロアも大量の魔物がいて、何がいるのかも分からないくらいだったので、さくっとサンダーレインで倒して進んで行く。
なんとか夜になるまでに14階まで行けた。とりあえず今日はバングルのお部屋で休もう。
「つ、疲れたね……」
『そうくまね……さすがにアイテムを拾うだけで凄く大変だったくまね』
「うん、多すぎだよね~。もう何を拾ったのか全然分からないくらいだったよ」
『そうぱんね~。いっぱい色々あったけど、仕舞うのに大変だったからあんまり覚えてないぱんね』
『凄かったぴょん……多すぎなのぴょん』
『15階も凄そうなのこん』
「確かに……」
『ハル、がんばってぴよー!』
「うん、ありがとう。がんばるよー。明日は15階をクリアして王都に帰ろうね~」
お夕飯は簡単にアイテムボックスにある物を出して食べる事にした。さすがに疲れすぎてもう何も考えられなかった。
ご飯を食べたら、錬金ボックスからお茶とお菓子を出して、テーブルに運んでお茶にしよう。甘い物が美味しくて癒されるね。
ゆっくりお風呂に入って、みんなを乾かしてブラッシングすると、みんながもふもふしに来てくれた。私が疲れているから、癒してくれるみたいだ。
みんなのふわふわが気持ち良くてそのまま眠ってしまった。おやすみなさい。
次の日は、昨日のみんなのふわふわのおかげで、すっきりと目が覚めた。昨日は疲れすぎたみたいだ。やっぱりダンジョンはいつもの楽しめるくらいが良いんだよね、きっと。
多すぎても楽しくなーい!
朝ご飯は、アイスとクリームとシロップたっぷりのホットケーキを錬金スキルで出して食べよう!
材料を準備して錬金する。うん、ふわっふわのホットケーキがとっても美味しそう!
『甘~くて美味しそうな匂いがするぴょん!』
「ふふっ、ベリー正解! 今日の朝ごはんは甘くってふわふわなホットケーキだよ~」
『きゃー、おいしそうぴよー!』
ライチは小さな羽をぱたぱたさせて喜んでいる。シフォンもしっぽをふりふり喜んでて微笑ましい。
みんなで美味しくご飯を食べたら、シールドに雷を纏わせてからバングルのお部屋を出る。
14階のフロアには少し魔物が復活していたので、倒してから15階へ下りよう。
(あれ? 階段……どこにあるんだろう?)
「階段ないね~」
『そうくまね』
みんなで階段を探しても、フロアのどこにもない。今までこんな事はなかったからどうするか困ってしまう。
「ここ、まだ14階だよね?」
『そうだと思うぱんよ』
地面に鑑定を掛けてもやっぱりここは14階だった。うーん、どうしたら良いんだろう?
『ハル、これなにぴょん?』
「ん? どれ?」
ベリーの所に行くと、何か台座みたいなものが埋まっている。試しに乗ってみても何も動かない。
「乗ってみてもダメだねぇ」
『そうぴょんね』
同じような台座がないかみんなで探してみると、沢山あった。この台座が何か関係しているっぽいよね。でもどうしたら良いんだろう?
『ハル、いっぱいあるから全部探してみるくまよ』
「そうだね」
みんなで探してみると、台座は全部で12個あった。
(うーん……これは全部に乗らないとダメってことかな?)
「これ全部に乗らないとダメなのかもしれないね」
『そうかもしれないくまね』
『ここんっ! ぼくに任せるこん!』
「あっ、シフォンに九尾化して貰ったら確かに人数足りるね!」
『九尾化こんっ! 分身こんっ!』
かわいいシフォンが9人に分かれる。可愛い子がいっぱいで嬉しいな~!!
シフォンが分身してくれたので、全部の台座に乗ってみよう。
ゴゴゴゴゴ……
と音がして、階段が現れた。
「階段が出たね!」
『やったこんっ!』
「ふふっ、シフォンありがとうね!」
『ここんっ! 役に立てて嬉しいこんっ!』
お礼にむぎゅっとしてなでなでする。もう九尾化は解いているので、シフォン1人になっている。
階段が出て来たので、最後の階も攻略して帰ろう!
ここは階段を下りる時に魔物がいなかったけれど、そぉっと降りてフロアをみると、やっぱり大量の魔物がうじゃうじゃいた。
「サンダーレイン!」
2回のサンダーレインでなんとかフロアから魔物は居なくなった。
風魔法でドロップ品を中央に集めると、またアイテムを仕舞っていく。また大量なので、みんなに手伝って貰って仕舞っていく。
「よし、これでダンジョンクリアしたね~」
『そうくまね~』
『すごい沢山だったぴょんね』
「本当だよね」
『ハル、強かったこんっ!』
『さすがハルなのぴよ!』
「ふふっ。ここのダンジョンも、これからは冒険者さん達が入れるようになるから、きっともう溢れないね」
『そうくまね』
よし、魔法陣が出ているので帰ろう。王都の冒険者ギルドに行って報告しなくちゃね。
魔法陣に乗って1階に戻ると、外に出て飛ぶこたつに乗って王都に向かおう。きっと王都で忙しいので、軽く卵サンドとお茶を飲みながら行こうかな。
みんなでご飯を食べながら移動して、王都の近くに着いた。王都の近くで飛ぶこたつを降りて、みんなにはバングルのお部屋に入って貰う。タルトとひぃろに両肩に乗って貰って、王都に入って冒険者ギルドへ向かう。
冒険者ギルドのドアを開けると、ラウラさんを見つけた。
「ラウラさん、ただいまです~」
「ハルちゃん! 怪我はない!?」
「はい、大丈夫です」
「無事で良かったわ。ギルマスの所に案内するわね」
「お願いします」
ラウラさんにギルマスの部屋に案内して貰う。中に入ると忙しそうなギルマスのクルトさんがいる。
「ギルマス、ただいま戻りました」
「ハル! 無事で良かった! ありがとうな」
「ダンジョンも綺麗にしてきたので、これで大丈夫だと思います」
「そうか、ありがとう!」
ギルマスにダンジョンと、レシェルとルテアの街の情報を話した。
それと、他に怪我人がいないかと、欠損のある怪我人がいないかの確認をした。欠損がある人は居なかったらしい、他の怪我人は私が置いて行ったポーションでみんな治ったそうだ。
「みなさんの怪我も治って良かったです」
私が倒して拾えなかったドロップ品は、冒険者さん達が拾ってくれたんだそうだ。三分の一を冒険者に渡して、残りは私に支払ってくれる事になったらしい。
冒険者さん達も本当は全部って言ってくれていたみたいなのだけど、それだとただ働きになってしまうので、三分の一に落ち着いたらしい。
お話が終わったので、冒険者ギルドを出てお家に帰ろう。
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