投げる草の採取
次の日起きると、準備をして食堂へ向かう。今日もロールさんの美味しいご飯を食べたら、冒険者ギルドへ行こう。
タルトとベリーを肩に乗せて冒険者ギルドに入り、依頼票を見に行く。今日はどんな依頼があるかな?
『ハル、あれがいいぴょん!』
「あっ、これかな? 投げる草の採取?」
『それぴょん!』
「でも投げる草ってなんだろうね?」
『分からないぱんね~』
投げる草って何だろう? 不思議だね。とりあえず、依頼票を取ってリルさんの所へ行こう。
「ハルちゃん達、おかえりなさい!」
「リルさん、ただいまです。これお願いします」
リルさんに依頼票とギルドカードを渡すと、プラチナカードになっていたのですごく驚かれた。手続きをして貰うと、ギルドカードを受け取って冒険者ギルドを出る。
「ハルちゃん達、行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
『行ってくるぴょん!』
『行ってきますぱん~』
投げる草は北東にあるみたいなので、東門から出て向かおうかな。タルトとベリーを肩に乗せて歩いて行くと、東門で手続きをして貰い外に出る。
門を出たら、鑑定とシールドを掛けて歩いて行く。みんなも出て来てぽよんぽよん跳ねて行く。久しぶりにのんびり採取な気がするなぁ。
みんなの後ろ姿を見ながらのんびり歩いて行く。今日は採取依頼だからそんなに危なくないかな? でも途中で何がいるか分からないから、シールドはきちんとしているけどね。
2時間くらい歩いて行くと、ひぃろがこの先に投げる草があるって教えてくれた。
『ハル、この先に投げる草があるみたいくまよ』
「ひぃろ、ありがとう。どんなのか楽しみだなぁ」
木々を分け入って入ってみると……ほうれん草? と思ったらびゅんっ! と何かが飛んで来た!
「きゃーっ!」
『ハル、飛んでくるから気を付けてくま!』
「えぇぇぇー!? ほうれん草が飛んでくるの!?」
『だから投げる草くまよ!』
『これどうやって採取するの!?』
そう話している間も、シールドに次々にほうれん草が当たっている。タルトがシールドに当たって落ちたほうれん草をぱっ! とアイテムボックスに仕舞っている。
「このまま投げられたほうれん草を拾えば良いの?」
『そうくまよ』
「わ、分かった。採取しよう!」
ほうれん草が投げるみたいに飛んでくるから投げる草ってことなのね、なるほど。さて、ほうれん草は美味しいから沢山欲しい! がんばって拾うぞ!
「シールドに当たるからのんびり拾えるね」
『ふふっ、そうぱんね』
『あれをキャッチ出来ると投げる草が増えるぴょん!』
「えっ、そうなんだ! それは凄いね!」
『がんばるぴよー!』
『がんばるこんっ!』
そう言いつつ、きゃーきゃー言いながら楽しんで投げる草をキャッチしようとしているみんなが可愛くて眺めてたい! 眺めてたいのにシールドにバシバシと投げる草が当たってくる。
(もう少し可愛いみんなを眺めたかった……採取しているみんなが可愛すぎるのにっ!)
投げる草が邪魔してくるので、さくっと採取してやるー! と気合を入れて、なるべくキャッチ出来るように頑張ろう!
ほうれん草は沢山あったら嬉しいからね。ベーコンと一緒にソテーにして、ほうれん草のスープも出来るし、パスタにしてもいいなぁ。
色々作れるメニューが増えるの嬉しいなぁ。みんなに美味しく食べて貰いたいなぁ。
ここら辺にあったほうれん草は沢山採れたので、一度離れてお昼ごはんを食べよう。
「そろそろお昼にしようか!」
『やったくまー!』
みんなでバングルのお部屋に移動してお昼ごはんにしよう。今日のお昼ごはんは今取ったほうれん草でキッシュを作ろう!
ほうれん草とベーコン、玉ねぎ、後はキノコも入れよう! パイの材料も出して、準備をして良く思い浮かべる。
「錬金!」
材料が光り、光が収まるとキッシュが出来ている。錬金スキルさん本当にありがとう! 一瞬で手のかかるお料理が出来ちゃうのは本当に嬉しい!
切り分けて、お茶はアイスティーにしようかな。みんなの前に準備が出来たら、みんなをこたつの上に乗せてあげて一緒に食べ始める。
『クリーミーで美味しいくま!』
『さっきの投げる草美味しいぴょん!』
「うん、これは私が居た所ではほうれん草って言うんだよ。キッシュ美味しいね~」
『クリーミーでベーコンとも合っていて美味しいぱん!』
『ライチもこれすきぴよよ!』
『ぼくもこれ好きこんっ! 美味しいこん~!』
「ふふっ、みんな気に入ってくれて嬉しいなぁ」
みんなお代わりもして食べてくれたのでとっても嬉しい。この後はどうしようかな?
「これからどうする?」
『もう少し投げる草を採取してから帰るくま? この先にまだあるくまよ』
「そうなんだ。じゃぁ、もう少し採取してから帰ろうか」
『分かったぴょんっ!』
『やるぴよー!』
『ぼくもがんばるこんっ!』
お片付けをしたらバングルのお部屋から出て、投げる草の所まで案内して貰って、また投げる草の採取をする。ビシビシと色んな方向から草が投げられているけれど、取れるのは取って増やしてからアイテムボックスに仕舞う。
この世界の物は色々不思議で面白いから、発見ばかりでとっても楽しい。
その後もみんなで採取を楽しんだら、飛ぶこたつを出してお茶をしながら帰ろう。沢山動いたから甘ーいアイスミルクティーにしようかな。後はポテチを錬金スキルで作っちゃおう。今日の味は……コンソメにしよう!
「錬金!」
『ポテチくま! 甘いミルクティーと良く合って美味しいくま!』
『止まらなくなっちゃうぴょん!』
「ふふっ、甘いのしょっぱいの繰り返しちゃうよね~」
『くふふ、この組み合わせは幸せぱん』
『もっとたべるぴよー!』
『美味しいこんっ!!』
「美味しいけど、ついつい食べ過ぎちゃうんだよね~」
みんなで楽しくお茶をしながら、王都に帰る。王都の手前で飛ぶこたつを降りて、みんなにはバングルのお部屋に入って貰う。今はタルトとひぃろが肩に乗っている。
門番さんに手続きをして貰い中に入ると、今日は借りたお家に帰ろう。商業ギルドに寄って国王様の所へ行く日が決まったかどうか確認をしてから帰ろう。
お店を見て回りながら商業ギルドに着いた。受付のお姉さんに声を掛けると、明日国王様の所へ行く事になったと教えてくれた。また明日の朝にここに来ればいいみたいだ。
商業ギルドを出てお家へ向かおう。大通りに面しているので安心して歩けるのが良いね。お家について中に入ると、全体にクリーン魔法を掛ける。
「うん、綺麗になったね!」
『さすがハルくまね!』
『お風呂も綺麗にするぱんよ』
「あっ、それは大事だね!」
お風呂場に行ってクリーン魔法を掛けると、お風呂場も綺麗になった。完璧! 寝室にもクリーン魔法を掛けて綺麗にすると、ランタール王国で使っていたお布団を出して寝る場所を作った。
リビングにはこたつをアイテムボックスから取り出して設置する。ここのこたつにもスイッチを付けてみんなが付けられるようにしよう。良く思い浮かべて錬金する。
「錬金!」
『くまっ!?』
『ぱんっ!?』
「ふふっ、こたつにスイッチ作ったからいつでも付けられるよ!」
『くふふっ、ありがとくま!』
『嬉しいぱん!』
みんなを呼んでもらい、お夕飯が出来るまでのんびりして貰う。今日はほうれん草を使ったお料理にしよう! ゴマがまだないから胡麻和えは出来ないけれど、アーモンドがあるからそれで作ろう!
後はパスタを作って、ほうれん草とベーコンでカルボナーラにしよう! 材料を準備して、まずはパスタを作ろう。錬金スキルでささっと作ってまずはアーモンド和えを作ろう。それからカルボナーラを作っていく。
ご飯が出来たら、準備をしてみんなをテーブルに乗せてあげて一緒に食べよう。
『くまっ! このかるぼらーな美味しいくま!』
「ふふっ、カルボナーラだよ。こってりと美味しいよね~」
『おいしいぴょんっ!』
『胡椒が効いて美味しいぱん!』
「カルボナーラには胡椒が良く合うんだよ」
『ハル、お代わりぴよよー!』
『ぼくもこんっ!』
「はい、どうぞ~」
うん、アーモンド和えも美味しい。カルボナーラはやっぱり美味しいね。みんなもお気に入りになったみたいで良かった。
ご飯を食べた後は、お風呂に入ってブラッシングをする。今日もほっこりふわふわもふもふです。
(ふふっ、かわいいっ!)
みんなにブラッシングをするとうっとりしてるのが可愛い。みんながふわっふわになったらむぎゅむぎゅっともふもふっとしちゃう。
「明日は国王様の所に行くよ~」
『分かったぴょん!』
『ぴよっ!』
『こんっ!』
「みんなはバングルのお部屋で遊んでいても良いからね。自由に出入りしてね」
『くまっ!』
『ぱんっ!』
『ぴょん!』
『ぴよ!』
『こんっ!』
みんなをむぎゅっとすりすりっとしておやすみなさーい!
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