第4話 冒険者ギルドに行こう
朝起きたら、隣でひぃろがまだ寝ていた。
スライムって寝るんだね。ただ、寝相? が悪いのかスライムの習性なのかデローンと、横にちょっと伸びている。
今日はお買い物三昧する予定だから、そろそろ朝御飯食べに行かないとだけど、このひぃろを起こしちゃうのは可愛そうな気がする。でもちょっとツンツンしてみちゃおうかな。
ツンツンすると、プルプルっと震えるのが可愛い。いつまででも見てられそう。と思っていたらひぃろが起きたみたい。
「ひぃろ、おはよう」
『ハル、おはようくま~』
寝起きだからかぽやぽやしてる感じがする。
「朝御飯食べに行くから一緒に行こう。私も準備するね」
ついついひぃろを見ていたけど、着替えてなかった。急いで朝御飯を食べに行く。
「おはようございます、朝ごはん大丈夫ですか?」
「ハルちゃん、ひぃろちゃんおはよう。大丈夫だよ、今準備するからね」
「はい、お願いします」
朝御飯の量も、ひぃろと一緒に食べて丁度良い感じ。
「ハルちゃんは今日はどうするんだい?」
「私達は昨日ついたばかりなので、今日は冒険者ギルドの登録と街を見てお買い物する予定です。お洋服も買いたいのですが、オススメのお店はありますか?」
「洋服だったらトルテがオススメだよ。冒険者ギルドの十字路まで出たら、左に曲がって左側の3軒目だよ」
「ありがとうございます、行ってみます」
私はひぃろを抱っこしながら3軒隣の冒険者ギルドへ向かう。木のドアをそっと開けてみると中は思ったよりも静かだったので、そのまま入っていくと受付のカウンターにいるお姉さんに声を掛けた。
「こんにちは、冒険者になりたいのですが手続きお願いします」
「こんにちは、入会手続きですね。登録は12歳からだけど大丈夫かしら?」
「はい、12歳なので大丈夫です」
「ここに名前と年齢を書いて欲しいのだけど書けるかな?」
お姉さんはちょっとびっくりしながら手続きを始めてくれた。私はこくんとうなずくと、ひぃろをカウンターに降ろして紙に名前と年齢を書いていく。ひぃろは隣でぽよんぽよんしている。
「書けました、お願いします」
「ハルちゃんっていうのね、私はサラっていうの、よろしくね。この可愛いスライムちゃんもよろしくね」
サラさんは肩まである青い髪を揺らしながらニコリと素敵な笑顔で名前を教えてくれた。
「この子はひぃろって言います。よろしくお願いします」
『よろしくくま~』
「ふふ、よろしくね。とっても可愛いわね」
見ていて癒されるひぃろをついつい撫でてしまう。
「ハルちゃん、ひぃろちゃん。お願いがあるの。ひぃろちゃんを撫でさせて貰っても良いかしら?」
「ひぃろ、どう?」
『いいくま~』
サラさんは、ぽよんぽよんと跳ねてきたひぃろをなでなでしている。
「ふわふわしていて気持ちいい! いつまででもなでなで出来るわ」
「ですよね。私もひぃろをなでなでむぎゅむぎゅするの大好きです」
つい力が入った返事を返してしまってちょっと恥ずかしい。
「ハルちゃん、ひぃろちゃんありがとう。さっきから可愛くて可愛くて気になっていたの」
サラさんは恥ずかしそうにそう言った。でも気持ちはよく分かる。サラさんは、ひぃろにも優しく接してくれるのでとてもうれしい。この人は信頼出来そうで良かった。
「そうだ、ひぃろはテイムしたのですが、手続きはいりますか?」
「あっ! そうだったわ。ごめんなさいね、ついついひぃろちゃんの可愛さに忘れていたわ。獣魔登録もしておくわね」
そういうとサラさんは、獣魔登録の手続きをしてくれてからギルドカードを渡してくれた。
「じゃぁ、これがハルちゃんのギルドカードね。ひぃろちゃんの名前も登録してあるから、またテイムした子がいたら手続きしてね。ランクがあがるとカードの色が変わっていくからね。」
ランクは一番上からS(金)、A(銀)、B(銅)、C(黄色)、D(緑)、E(赤)、F(青)だそうだ。
私はFランクなので青だ。初めてのギルドカードはなんだか嬉しい。依頼も受けられるみたいなので、明日はお買い物したいから明後日から頑張ろう。
明日はお買い物したいし、途中で倒したウルフの毛皮とか売れるかな。後、ポーション売れるか聞いてみようかな。
「ありがとうございます、なんだか初めてのカード嬉しいです。後、ウルフの毛皮とか作ったポーションの買い取りってしてもらえますか?」
「ハルちゃんはポーションも作れるのね。買い取りはここの端っこのカウンターが買い取りカウンターよ」
「はい、ありがとうございます」
サラさんにお礼を言ってひぃろを抱っこしてから買い取りカウンターに行く。買い取りカウンターは男性の職員さんだ。名前はブラウさんだ。やっぱり冒険者ギルドだからかごつい人だ。
「こんにちは、買い取りお願いできますか?」
「はいよ。ここに出してもらって大丈夫だよ」
私は買い取りカウンターの横にひぃろを降ろしてから、ウルフの毛皮5枚と牙を10個、作った初級ポーションを20本ずつ取り出して置いた。
「お、テイマーなのか。でもこのスライム変わってんなぁ。それで、ウルフだったな。それにポーションだな。鑑定するから少し待ってな」
ひぃろがぽよんぽよん跳ねているので、鑑定してくれている間ひぃろにつんつんして遊んでいる。
「なんだこれは!」
突然の大声にびっくりした、ひぃろもちょっと固まってる。なんだろう、ポーション何かダメだったかな。それとも初級だから買い取り出来ないとか…?
「このポーションはどこで手に入れたんだ?!」
「えと、私が作りましたけど、何かありましたか?」
私がオロオロしているとサラさんが来てくれた。
「どうしたの? そんな大声出すから、ハルちゃんとひぃろちゃんが怯えてるでしょ!」
「あ、あぁ。すまんな。このポーションが凄すぎてびっくりしちまってな。だってこのポーション星5なんだぞ!」
「えぇっ! 星5!? ハルちゃんが作ったのよね?」
「は、はい。星5のポーションって珍しいのですか?」
普通は星3のポーションがほとんどで、たまに星4があるくらいらしいので、星5のポーションなんてほぼないらしい。だからこんなに驚かれたのね。
「えっと……買い取り出来ませんか?」
「いや、もちろん買い取るぞ! というか買い取らせてくれ!」
良かった、無事に買い取りして貰えた。しかも普通よりも高く買い取ってくれた。ブラウさんに手続きをして貰い、お金はギルドカードに入れておいてもらった。
「回復量が多いから冒険者達が助かるよ。また出来たらぜひ持ってきて欲しい。よろしくな」
「はい、ありがとうございます。また出来たらよろしくお願いします」
「ハルちゃんすごいわね。私も星5なんて初めて見たけど、とても綺麗なポーションね。またよろしくね」
「はい、ありがとうございます。また今度は依頼受けに来ますね」
神様から貰ったお金もあるけれど、なるべく自分で稼いで買わないとだから高く売れたのは助かる。色々買えそうで嬉しい。
ギルドに登録出来たので次はお買い物へ行く。
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